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Metaが買収時の7分の1以下の売却額でGIFライブラリのGIPHYを手放すほかなくなりShutterstockにやむなく売却


ストックフォトサービスのShutterstockが、GIFライブラリのGIPHYをMetaから5300万ドル(約73億4000万円)で買収することを発表しました。Metaは2020年にGIPHYを4億ドル(当時約430億円)で買収したと伝えられていましたが、イギリスの競争市場庁(CMA)が「GIFの独占につながる」との判断を下し、MetaにGIPHYを手放すよう命じていました。

Shutterstock to Acquire GIPHY, the World's Largest GIF Library and Search Engine
https://www.prnewswire.com/news-releases/shutterstock-to-acquire-giphy-the-worlds-largest-gif-library-and-search-engine-301831611.html


Meta sells Giphy for $53M to Shutterstock after UK blocked GIF platform purchase - ABC News
https://abcnews.go.com/Business/wireStory/meta-sells-giphy-53m-shutterstock-after-uk-blocked-99543243

Meta forced to sell Giphy to Shutterstock, takes 87% loss • The Register
https://www.theregister.com/2023/05/23/meta_giphy_sale/

MetaがGIPHYを買収した直後、CMAはGIPHYがMetaに吸収されることでGIFを求めるユーザーのトラフィックがMetaに集中するとの懸念から調査を始めました。GIPHYはAPI等を通じてさまざまな企業に利用されているほか、GIFで製品を宣伝するためのディスプレイ広告市場としても地位を確立していたため、GIFに関する既存の市場がMetaに独占されてしまうとCMAは主張していました。

なぜFacebook親会社Metaに対しGIFサービス「GIPHY」の売却が求められているのか? - GIGAZINE


Meta(当時Facebook)は「CMAの判断は誤りである」と反論していましたが、その後CMAは調査に協力しなかったFacebookに罰金を科し、2021年には買収を撤回するよう命令。Metaは控訴するも敗訴し、2022年に「GIPHYは売却される必要がある」との大筋の結論に達しました。Metaは2022年10月にCMAの決定に同意し、命令通りに同社を売却することを明らかに。それから7カ月が経ち、ようやくその売却が実現しました。

Meta所有のプラットフォームにおけるチャットサービスでGIPHYを使用した予測変換を提供していたMetaは、GIPHY売却後にShutterstockとAPI契約を締結し、引き続きGIPHYのサービスを使用可能にする予定。立場としてはGIPHYのAPIを使用しているTikTokやTwitterと同じになります。


ShutterstockはGIPHYの1万4000以上のAPI/SDKを利用して、APIエコシステムをさらに拡大する予定としています。また、GIPHYのウェブサイトやアプリを含め、毎日13億回以上の検索を実施し、毎日150億回のメディアインプレッションを生み出す17億人のデイリーユーザーを獲得すると発表で主張。GIPHYを使ってストックフォトを探す専門家だけでなく、「カジュアル会話」にまでGIPHYのマーケティングを拡大する予定だと述べています。

買収発表があった2023年5月23日、Shutterstockの株価は2%近く上昇しました。

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in ネットサービス, Posted by log1p_kr

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