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Appleのサードパーティ修理プログラムはまともに機能していないことが発覚、Appleはまともに部品を供給せず申請を半年も放置するなどやりたい放題


Appleが修理業者向けに部品の販売などを行う「サードパーティー修理プログラム」に参加した企業が、部品調達の遅さ、サポートの不透明さ、部品の価格の高さなどを理由に「まともに機能していない」と不満の声を漏らしています。

‘We are losing money’: companies in Apple’s repair program say they can’t compete with tech giant | Apple | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2023/may/18/we-are-losing-money-companies-in-apples-repair-program-say-they-cant-compete-with-tech-giant


メーカーの修理サービスを利用することなく、ユーザー自身の手で製品の修理を可能にする「修理する権利」を押し進めるオーストラリア生産性委員会の圧力を受け、Appleは2021年にサードパーティー修理業者プログラムを開始しました。修理業者がAppleの工具や部品を調達し、Appleより低価格で修理サービスを提供することで競争が促されると目されて導入されたこのプログラムですが、実際に参加した業者は「圧力を回避するための形だけのプログラムである」と非難しています。

The Guardianの取材に応じた修理業者によると、そもそも業者が修理プログラムに参加できるようになるまでには「平均8週間を要する」との案内があるにもかかわらず、最大で6ヶ月も待たされることがあるとのこと。Appleには参加申請者に処理状況を共有するための窓口はなく、業者は長時間連絡のないまま待たされてしまうことがあるそうです。

修理プログラムに参加すると、修理業者はAppleからトレーニングを受け、Appleの部品や工具、修理マニュアル、iPhoneやMacの診断ソフトを利用できるようになります。しかし、ようやく修理するための条件がそろったとしても、実際に修理を始めると、Apple独自の修理サービスに対抗するのは「難しい」と修理業者は話しています。


修理業者はスクリーンやバッテリーなどの部品を事前に仕入れておくことで手早い修理を可能にしているのですが、ある修理業者によると、Appleは2022年6月以降に提出された約80件の部品調達申請を処理しておらず、この遅れにより手早い修理が現実的でなくなってしまったとのこと。

部品の調達費用も高額で、修理業者は「人件費と家賃を引いたら何が残るんでしょうか。私たちはお金を失っています」と嘆いています。Appleの担当者と話そうにも専門の窓口がないため、手をこまねいている状況だそうです。


オーストラリア通信消費者行動ネットワークの最高責任者であるアンドリュー・ウィリアムズ氏は「オーストラリア人が生活費の危機に直面する中、人々がタイムリーかつ手頃な価格で既存の機器を修理できることは非常に重要です。携帯電話等のデバイスを手頃な価格で修理できないのであれば、多くのサービスを実際に利用する上で重大な障害となります」と主張し、修理プログラムの重要性を訴えてはいますが、実情は修理業者とって負担となりかねない制度であることがうかがえます。

The Guardianの取材に対し、Appleはコメントを控えました。

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in ハードウェア, Posted by log1p_kr

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