世界一幸せな国を目指すブータン王国が国民に内緒で3年以上もビットコインの採掘事業を運営していた
中国とインドの間、ネパールの西側に位置するブータン王国が、再生可能エネルギーを利用してビットコインマイニング事業を少なくとも3年以上運営していると報告されています。
DHI confirms that it is mining Digital Assets – The Bhutanese
https://thebhutanese.bt/dhi-confirms-that-it-is-mining-digital-assets/
Has Bhutan Been Quietly Mining Bitcoin Since 2017? (Report)
https://cryptopotato.com/has-bhutan-been-quietly-mining-bitcoin-since-2017-report/
Bhutan has been mining Bitcoin with hydropower since BTC price was $5,000
https://cointelegraph.com/news/bhutan-bitcoin-mining-with-hydropower-since-btc-price-was-5-000
ブータン王国は小さな国ですが、ジグミ・シンゲ・ワンチュク第4代ブータン王国国王が提唱した国民総幸福量を重視する政策により、2005年の国勢調査では国民の約97%が「幸せ」と回答するなど高い幸福度を誇っています。
ブータン王国の主要な発電は水力発電で、約80万人のブータン王国民のほとんどすべてが水力発電で電力を賄っています。地元メディアであるThe Bhutaneseによると、ビットコインの価格が約5000ドル(当時のレートで約55万円)だった2019年4月に、ブータン王国政府がビットコインのマイニング事業をスタートさせていたとのこと。
また、ブータン王国は国有持ち株会社であるDruk Holding & Investments(DHI)が数百万ドル(数億円)を仮想通貨に変えて投資していたことも報じられています。この投資は秘密裏に行われ、国民には知らされていなかったとのこと。
さらに、王国政府はマイニング事業を拡大するために、マイニング企業のBitdeerと交渉し、ブータン王国で発電されている550メガワットの電力のうち、100メガワットを提供していると報じられています。この契約によって、Bitdeerのマイニング能力は約12%増加したそうです。同時に1億9300万ドル(約265億円)のコンピューターチップを購入していたことも判明しました。
アナリストであるJaran Mellerud氏は「ブータンでビットコインを採掘している事業者がいることに驚きはありません。この国は巨大な水力発電能力を持ち、国民一人あたりの発電量はアメリカと同程度です。この安価な水力発電は割安な電力をビットコインに変えるマイナーにとって魅力的であることは間違いありません」と述べています。
一方で、The Bhutaneseは「ブータンの資源が非常に不安定でリスクの高い投資に秘密裏に投入されており、環境に大きな負担がかかっている懸念があります」とコメントしています。
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