クリエイターに役立つ「著作権譲渡契約書」と「商標使用許諾契約書」の弁護士監修済み実物書類を全公開
読者がGIGAZINEの擬人化3Dアバター「GIGAZINEちゃん(仮)」を作ってくれたので、実際にどのような感じで「商標使用許諾契約書」と「著作権譲渡契約書」を作成すればいいのか、弁護士に質問した結果、次のようになりました。
◆商標使用許諾契約書には、以下の3点を盛り込む必要がある。
1:GIGAZINEちゃん(仮)の制作に限って商標「GIGAZINE」の使用を許諾する
2:上記以外の用途には当該商標を一切使用してはならない
3:GIGAZINEちゃん(仮)制作完了後は、著作権をすみやかにGIGAZINEへ譲渡する
◆著作権譲渡契約書には、以下の2点を盛り込む必要がある。
1:著作権一切の譲渡を受ける
2:著作者人格権を行使しないことを明確にする
弁護士からの回答を参考に商標使用許諾契約書を作成し、さらに文化庁の「著作権契約書作成支援システム」などを使いながら著作権譲渡契約書も作成しました。
その後、GIGAZINEちゃん(仮)の作成者は複数人いたため代表者を決定してもらい、代表者から氏名、電話番号、住所、本人確認書類を提出してもらった上で商標使用許諾契約書と著作権譲渡契約書への署名を実施しました。署名には、Adobe Acrobat Proに搭載されている電子サイン機能を用いたため、書類の郵送などは必要なくメールのやり取りだけで完了しました。
契約書への署名後、無事にファイルの受け渡しが完了してGIGAZINEちゃん(仮)が編集部にやってきたというわけです。
契約書完成までは山ほど弁護士などに問い合わせを行っており、今の時代に即した現実的な内容とするまでとても大変でしたので、その最大の成果と言える「著作権譲渡契約書」と「商標使用許諾契約書」をメンバー向けに公開することとしました。今回は相手がいることなので、GIGAZINE側以外の相手名についての部分はモザイクしてありますが、それ以外はすべて伏せ字やモザイクはないので、実際に創作された作品について「著作権譲渡を求められているのだけど、他の事例だとどういう契約書があるのだろうか?」ということで、どのような契約を結べばいいのかよくわからず悩んでいるクリエイターにとっては、かなり参考になるはずです。
特に今回のように実物をほぼそのまま公開しているものは滅多になく貴重なので、GIGAZINEを支えるサーバーたちを支援する一環として投げ銭や寄付代わりにサクッと見てもらえると非常に助かります。