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政治評論家のTwitterアカウントがハッキングされたことを報じた記者のTwitterアカウントが利用禁止処分を受ける、Twitterは「ポリシー違反のため」と主張


アメリカの政治評論家であるマット・ウォルシュ氏のTwitterアカウントがハッキングされ、ハッキングを行ったハッカーにインタビューを行い、ハッキングの件について報じた海外ニュースメディアのWiredの記者である、デル・キャメロン氏のTwitterアカウントが2023年4月19日に利用禁止処分を受けたことが報じられています。

Matt Walsh's Twitter Account Appears to Have Be Hacked
https://www.dailydot.com/debug/matt-walsh-twitter-hacked/


Twitter Seemingly Suspends ‘Wired’ Reporter over Twitter Hack Report – Rolling Stone
https://www.rollingstone.com/culture/culture-news/matt-walsh-wired-reporter-dell-cameron-twitter-suspension-1234720045/


Journalist Banned From Twitter After Reporting on Hack of Matt Walsh’s Account
https://www.thedailybeast.com/dell-cameron-banned-from-twitter-after-reporting-on-matt-walshs-account-getting-hacked

The Hacker Who Hijacked Matt Walsh’s Twitter Was Just ‘Bored’ | WIRED
https://www.wired.com/story/matt-walsh-twitter-hack-doomed/

Twitterなどで極右的な言動を行っていたウォルシュ氏のアカウントがハッキングを受け、2023年4月18日に突如として過去に称賛していた保守派の活動家などを嘲笑する投稿や不適切な投稿などを行いました。その後1時間以内にウォルシュ氏のアカウントはTwitterによりロックされ、不適切な投稿が削除されています。


この騒動を受け、キャメロン氏はウォルシュ氏のアカウントにハッキングを行った「Doomed」と呼ばれるハッカーに接触。インタビューの約束を取り付けることに成功しました。

キャメロン氏によると、Doomedは内部関係者の協力を得て、「SIMスワップ詐欺」と呼ばれる手法でウォルシュ氏のTwitterアカウントやGoogle、Microsoftのアカウントなどにアクセスを行ったとのこと。


一方でDoomedはアカウントのハッキングに関して、「ウォルシュ氏に対して金銭的危害などを加えるつもりはなく、Twitterで論争を引き起こし、混乱に陥れることが目的でした」と主張しています。また、Doomedは「アカウントをハッキングしてウォルシュ氏を苦しめ続けるつもりはなく、今後アクセス権を返還するつもりでした」と述べています。

しかし、キャメロン氏がウォルシュ氏のTwitterアカウントのハッキングに関して報じたわずか数時間後、キャメロン氏は自身のTwitterアカウントが利用禁止処分を受けたことをMastodon上で報告しています。


Twitterはキャメロン氏のアカウントの利用禁止処分に関して、「個人情報を含む、人々を身体的危害や危険にさらす可能性のある、または企業秘密を含むハッキングによって取得されたコンテンツを直接配布するために、当社のサービスを使用することは許可されていません」と説明していますが、説明時点でのTwitterポリシーでは、「リークやハッキングを通じて得られた情報源は、Twitterや政府機関などに説明責任を負わせることを目的とした通信社による重要な報道の基礎として役立つ可能性があることを認識しています」として、一部ハッキングされた資料を使用した投稿を行うことを許可しています。


海外ニュースメディアのForbesは「ハッキングされたプライベートな文章はWiredの記事の中で公開されていませんでしたが、ハッキングされた資料の存在に言及することでさえ、Twitterのポリシーに違反しているようです」と指摘しています。

Wiredの編集長であるヘマル・ジャベリ氏は「Wiredの記事にも、キャメロン氏のTwitterでの投稿でも、ハッキングされた資料は含まれていませんでした。そのため、キャメロン氏のアカウントがTwitterのポリシーに違反しているとは考えていません」と主張しています。


また、ジャベリ氏がTwitterに対して問い合わせを行ったところ、満足できる回答は得られなかったとして、キャメロン氏のアカウントの復旧と、Twitterからの説明を求めていました。


一方でTwitterにおける信頼・安全の責任者であるエラ・アラーウィン氏は、2023年4月20日に「私たちは、ハッキングまたは違法に入手された資料の投稿・配布を許可しません。また、個人的な通信や情報の共有を通じて脅威が誰かを暴露することも許可していません」と述べ、「キャメロン氏は、ツイート内でTwitterのポリシーに違反する全ての行動を行っていました」と指摘しています。

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in ネットサービス, Posted by log1r_ut

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