Boyd氏によるとガラスを割るために最適なのは「高音で『エー』と叫ぶ」ことだとされています。
これまでに何度もワイングラスを声だけで割る実験が行われています。マサチューセッツ工科大学の実験では、スピーカーから音を流すことでワイングラスを割ることに成功しています。
また、アメリカのテレビ番組・「怪しい伝説」ではプロの歌手がワイングラスを割る挑戦を行っています。
一方でダイアナ氏は、訓練されたプロの歌手でなくてもワイングラスを割ることができるかどうか考えているとのこと。
再びダイアナ氏がBoyd氏とともにワイングラスを割ることに挑戦する場面に戻ります。
ダイアナ氏によると、ガラスを割るコツは「徐々に声を高くしていくこと」だそうです。
挑戦の末、ダイアナ氏は見事ワイングラスを割ることに成功しました。
ワイングラスを割ることができたダイアナ氏は驚きを隠せない様子。
声だけでガラスを割ることができる原理としてダイアナ氏は「共鳴」と呼ばれる現象について説明しています。
物体にはそれぞれ「固有振動周波数」と呼ばれる、自然に振動する周波数があります。
例えばギターの場合弦を弾くと、弦がそれぞれの固有振動周波数で振動することで、音色が作り出されます。
また、物体には特定の周波数で振動すると大きく揺れる性質があります。
ダイアナ氏はこの現象をブランコに例えており、正しい間隔でブランコを押していると、どんどんスイングは大きくなります。
固有振動周波数と同じ周波数の声を出すことで、増幅した振動に耐えられなくなったワイングラスは割れてしまいます。
しかし、「固有振動周波数と同じ周波数の声を出すことは特別な訓練を受けているプロの歌手以外の一般人には難しいです」とダイアナ氏は述べています。
ワイングラスを割ることに成功したダイアナ氏ですが、その際ワイングラスに割れやすくするための小さなヒビが入っていたそう。
一方Boyd氏は自身の動画の中で、傷ひとつない新品のワイングラスを割ることに成功しています。
Learn to Break a Glass with Your Voice || Learn Quick - YouTube
そこでダイアナ氏は自分も新品のワイングラスを割ることができるか挑戦しています。
家族とともに挑戦した際にはダイアナ氏はワイングラスを割ることができませんでした。
その理由をダイアナ氏は「使用したワイングラスが通常のガラス製ワイングラスだったからです」と推測しています。
ダイアナ氏によると、今回の挑戦には酸化鉛の混ざったクリスタル・ガラスが最適とのこと。そこでクリスタル・ガラス製のワイングラスを準備して再度挑戦します。
ダイアナ氏は「大声で高音を出し続けないといけないため、とても苦しいです」と述べています。
長時間にわたる挑戦の末、見事ダイアナ氏はワイングラスを割ることに成功しました。
ワイングラスは根元から破壊されてしまっています。
ダイアナ氏の友人であるカイル・キッツミラー氏によると、クリスタル・ガラスは通常のガラスよりも強度が低く、微細なひび割れが発生しやすいとのこと。
クリスタル・ガラス製のワイングラスに対して固有振動周波数と一致した声を当てることで、ワイングラスには細かなひび割れが発生し、さらに長時間声を当て続けることでひび割れが少しずつ広がっていきます。
ひび割れの大きさが限界を迎えると、今回のようにワイングラスは割れてしまいます。
なお、ダイアナ氏はこの挑戦を振り返って「この実験は大変危険なため、安全ゴーグルなどの着用が行えない場合、ご自宅でマネしないようにお願いします」と注意喚起しています。