「Googleアナリティクスの使用は違法」という暫定的な結論をノルウェーの規制当局が発表、Googleアナリティクスの使用が禁止される可能性

オーストリアのデータ保護当局やフランスのデータ保護機関、イタリアの規制当局によるGoogleアナリティクスの使用禁止勧告に続き、ノルウェーのデータ保護当局であるDatatilsynetが「Googleアナリティクスの使用はEU一般データ保護規則(GDPR)の転送規則に違反している」との暫定的な結論に至ったことを発表しました。

Varsel om vedtak i Google Analytics-saken | Datatilsynet
https://www.datatilsynet.no/aktuelt/aktuelle-nyheter-2023/varsel-om-vedtak-i-google-analytics-saken/

Norway takes a stance against Google Analytics
https://www.simpleanalytics.com/blog/norway-takes-a-stance-against-google-analytics

Googleアナリティクスを使用する際は、GoogleにCookieやIPアドレスなどの個人データを送信する必要があります。このGoogleへのデータ送信について、オーストリアのデータ保護NGO・noybは「アメリカ政府による監視につながるリスクがあり、GDPRの転送規則に違反している」と主張し、欧州経済領域(EEA)に訴訟を申し立てています。noybによる申し立ての結果、これまでオーストリアやフランス、イタリアの規制当局においてGoogleアナリティクスの使用禁止が勧告されています。

Googleアナリティクスの使用禁止をイタリア当局が勧告 - GIGAZINE

Googleアナリティクスを使用禁止にした他のヨーロッパ諸国と同様に、ノルウェーのデータ保護当局・DatailsynetもGoogleアナリティクスに関する調査を進めており、2023年年3月1日に「Googleアナリティクスの使用はGDPRの転送規則に違反している」という暫定的な結論を発表しました。データ分析サイト・Simple Analyticsによると、この結論を元にノルウェー当局も最終的にnoybの申し立てを受理し、Googleアナリティクスを禁止する措置を執る可能性があるとのこと。

Datailsynetのセクションマネージャーであるトビアス・ジュディン氏は「Googleアナリティクスの使用に関するnoybによる意見の元で、ノルウェーは他のヨーロッパ各国と明確に意見が一致しています」と述べています。

Googleが提訴された場合、Datailsynetによる「GoogleアナリティクスはGDPR違反である」という予備的な結論についてGoogleは3週間以内に声明を発表する必要があります。また、GoogleアナリティクスのGDPR違反問題はノルウェーのデータ保護当局だけにとどまらず、ヨーロッパ内の関連する他のデータ保護当局とも結論を共有することになります。また、Googleが決定を不服とする場合、1カ月以内に異議申し立てを行う必要があります。

GoogleはGoogleアナリティクス4(GA4)を開発し、ユニバーサル アナリティクス(UA)からの移行を推奨しています。noybやDatailsynetの調査はUAを対象としたものですが、DatailsynetはGA4でも規制対象の問題が引き続き生じていると指摘しています。

Datatilsynetはノルウェー国内におけるGoogleアナリティクスの使用の可否について、早ければ2023年4月下旬に最終決定を下す予定です。