脳波のリズムに合わせて光を明滅させると学習スピードが劇的に高まることが明らかに
脳が発する信号「アルファ波」を測定し、測定値を基に光を明滅させる実験を行ったところ、被験者の学習スピードが大幅に向上したことがわかりました。
Learning at your brain’s rhythm: individualized entrainment boosts learning for perceptual decisions | Cerebral Cortex | Oxford Academic
https://doi.org/10.1093/cercor/bhac426
Tuning into brainwave rhythms speeds up learning in adults
https://www.cam.ac.uk/stories/brainwavelearning
ケンブリッジ大学の神経科学者であるゾーイ・クルツィ教授らは、80人の被験者の頭に脳波計センサーを取り付け、脳の電気的活動を読み取って脳波を測定しました。
クルツィ氏らは脳波の中でもリラックスしているときに多く見られる「アルファ波」に注目し、この測定値を基に光を明滅させました。仕組みは単純で、黒い背景に白い四角形が被験者のアルファ波と同じテンポで明滅するものでした。
およそ1.5秒間の明滅を体験した被験者は、次に乱雑に散らばった図形の中から特定の形を見つけ出すという認知タスクを実施しました。800以上の認知タスクを繰り返すことにより、人々がどれだけ早く上達したかが計測されました。
この実験により、脳波と全く同じリズムで明滅を浴びた被験者は、他のグループよりも少なくとも3倍速く学習することに成功したとのこと。明滅を脳波より遅くしたり、速くしたりしたグループとは有意に差が生じたそうです。
また、明滅を浴びた被験者が翌日別の課題に取り組んだところ、明滅を浴びずともその高いパフォーマンスを維持していたとのこと。筆頭著者のエリザベス・マイケル博士は「学習効果を高めるために必要な条件を明らかにできたことは、非常にエキサイティングでした」と述べています。
先行研究では、母親と赤ちゃんがコミュニケーションをとるときに、2人の脳波が同期することが示されています。今回の研究のメカニズムは人間が乳幼児期に学習する方法を反映したものに近く、非常に効果的であると考えられているそうです。
クルツィ氏は「脳波のリズムを利用することで、幼児期から高齢期まで、生涯にわたって柔軟な学習を行えるかもしれません」と述べました。
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in サイエンス, Posted by log1p_kr
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