タンポポの綿毛のように風に乗って移動できるロボットが開発される
タンポポの綿毛に着想を得て、光に反応する素材と繊維を使って風に乗って移動するロボット「FAIRY」を、フィンランドにあるタンペレ大学の研究チームが開発しました。
Dandelion‐Inspired, Wind‐Dispersed Polymer‐Assembly Controlled by Light - Yang - Advanced Science - Wiley Online Library
https://doi.org/10.1002/advs.202206752
Incredible 'Fairy' Robot Sails on The Breeze Like a Floating Dandelion : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/incredible-fairy-robot-sails-on-the-breeze-like-a-floating-dandelion
FAIRYはFlying Aero-robots based on Light Responsive Materials Assembly(光応答性材料をベースとした飛行空中ロボット)の略称。以下の画像のように太さ14μmの繊維でできています。
繊維の根元には光応答性の液晶エラストマー製のアクチュエーターがあり、光が当たることで繊維をヨットの帆のように動かし、空中を飛ぶFAIRYの動きを制御します。研究チームによると、FAIRYはバッテリーや電源が不要であり、暑くて乾燥した環境であれば10km~100kmの距離を移動できるとのこと。
今回発表されたのはあくまでも概念実証実験で、風洞とレーザー光線を使って実験が行われています。ただし、研究チームは今回の研究内容が将来的に「花粉を乗せて受粉作業を行うロボット」の実現に役立つとみています。
論文著者の1人であるハオ・ツェン氏は「地球温暖化によって、ミツバチのような受粉媒介者が失われつつあります。この問題は生物多様性と食糧生産にとって深刻な脅威となっており、世界の農業に大きな影響を与えるでしょう。SFのように聞こえるかもしれませんが、私たちが行った概念実証実験は、FAIRYが人工授粉に適した現実的なアプリケーションへの重要な段階を示すものだということを明らかにしています」とコメントしました。
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