グラハム・ベルの肉声など世界で最も古い数百点の録音を国立アメリカ歴史博物館が復元
by Faces Of The World
グラハム・ベルといえば、世界で初めて実用的な電話を発明した人物であり、通信技術の発展に多大な貢献をした有名な科学者です。そんなベルの貴重な実験記録の中から、これまで再生不可能だった肉声の録音を復元する作業をアメリカの国立アメリカ歴史博物館が始めました。
National Museum of American History Will Preserve Alexander Graham Bell’s Experimental Sound Recordings | Smithsonian Institution
https://www.si.edu/newsdesk/releases/national-museum-american-history-will-preserve-alexander-graham-bells-experimental
The Smithsonian Will Restore Hundreds of the World's Oldest Sound Recordings | Smart News| Smithsonian Magazine
https://www.smithsonianmag.com/smart-news/smithsonian-will-restore-nearly-300-never-before-heard-recordings-by-alexander-graham-bell-180981440/
1922年に死没したベルですが、ベルがどんな声をしていたのか、近年では知る人はいませんでした。しかし2013年、研究者たちがベルの実験記録の一部を復元したことにより、それまで再生不可能だったベルの録音を聴けるようになります。
以下の音声を再生するとベルの肉声を聞くことができます。ベルは「Hear my voice(私の声を聞いてくれ)」と言っています。
国立アメリカ歴史博物館の研究者らはこの復元作業を継続し、1世紀以上にわたって博物館に収蔵されていながら誰にも聞かれることがなかった約300点の録音を再生できるようにしていくとのこと。すでに20点の録音が復元されており、上記の肉声はその一部です。この録音は、記録に残る唯一のベルの肉声だとのこと。
1881年から1892年にかけて、ベルはワシントンD.C.のボルタ研究所とノバスコシア州バデックにあるベル自身の土地で実験を行い、ベルと研究者仲間によって音声を多数録音していました。ベルは厚紙とロウで作ったディスクに録音を行っていましたが、2013年になるまで再生方法が不明なままでした。
しかし、国立アメリカ歴史博物館やローレンス・バークレー国立研究所、アメリカ議会図書館の専門家による徹底的な研究のおかげで、光学スキャンとデジタル変換を用いた音声再生方法が確立され、1世紀以上にわたって聞くことができなかった音源を復元することができたそうです。
200点以上残る未解析のディスクの調査は2023年秋から始まる予定。国立アメリカ歴史博物館のアンシア・ハーティグ氏は「1世紀以上にわたって当館に収蔵され、誰も聞くことができなかった約300点の録音を保存し、初めて再生可能にします。このダイナミックで革新的なプロジェクトに資金を提供してくれた官民パートナーシップに感謝しています」と述べました。
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