Twitterで選挙やワクチンの誤情報拡散者・白人至上主義者・Qアノン支持者などの極右アカウントが続々復活中
イーロン・マスク氏がTwitterのCEOに就任して以降、Twitterではドナルド・トランプ元大統領のアカウントを含む数万件に及ぶアカウントの凍結が解除された一方で、イーロン・マスク氏のプライベートジェット追跡アカウント「ElonJet」が凍結されたり、ElonJetの凍結を報じたジャーナリストのアカウントが大量凍結されたりとマスク氏の意向と思われるアカウントの凍結や凍結解除が実施されています。新たに、上述の「ジャーナリストのアカウント大量凍結」の翌日に白人至上主義者や偽情報インフルエンサーのアカウントの凍結解除が実施されていたことが明らかになりました。
Musk just reinstated a dozen previously suspended right-wing Twitter accounts — the day after baselessly suspending mainstream journalists | Media Matters for America
https://www.mediamatters.org/elon-musk/musk-just-reinstated-dozen-previously-suspended-right-wing-twitter-accounts-day-after
マスク氏はCEOに就任した直後にトランプ元大統領のアカウントを復活させるべきか問うアンケートを実施し、アンケートの結果に従ってトランプ元大統領のアカウント凍結を解除しました。その後も「凍結されたアカウントに対して全面的な恩赦を与えるべきか」というアンケートを実施し、恩赦に賛成する回答が過半数を占めたことを踏まえて2022年11月に6万人超えのアカウントの凍結解除を実施するなど、大規模な凍結解除を実施していました。
一方で、2022年12月14日にはマスク氏のプライベートジェットの発着情報を投稿するアカウント「ElonJet(@elonjet)」が凍結されました。さらにElonJetの凍結を報じた複数のジャーナリストのアカウントも凍結されてしまいました。アカウントを凍結されたジャーナリストたちに事前連絡はなかったとのことで、ジャーナリストたちが所属する各メディアはマスク氏を非難しており、EUの政策執行機関である欧州委員会のベラ・ヨウロバー氏はTwitterの一方的なアカウント凍結に対して制裁が科される可能性を示唆しています。
イーロン・マスクによるジャーナリストのTwitterアカウント強制BANはEUの制裁対象になる可能性 - GIGAZINE
そんな中、ジャーナリストの大量凍結の翌日に白人至上主義者や偽情報インフルエンサーのアカウントが続々と凍結解除されていたことが非営利メディアのMedia Matters for Americaによって報告されました。Media Matters for Americaが凍結解除を確認したアカウントの一例は以下の通り。
◆マイケル・J・リンデル
リンデル氏は、枕メーカー「My Pillow」のCEOを務める人物で、2020年の大統領選挙の際に不正が行われたという主張を繰り返していました。リンデル氏のアカウントは誤情報の拡散に関するポリシーに違反したとして2021年1月に凍結されていましたが、2022年12月16日に凍結が解除されました。リンデル氏は凍結解除後に「私は帰ってきました!ありがとうイーロン・マスク。ともあれ、電子投票機は解体して刑務所のバーに置き換えるべきです!」とツイートしています。
I'm back!! Thank you @elonmusk and by the way MELT DOWN THE ELECTRONIC VOTING MACHINES AND TURN THEM INTO PRISON BARS!
— Mike Lindell (@realMikeLindell) December 16, 2022
◆ジェームズ・オキーフ
オキーフ氏は、極右活動家のプラットフォーム「Project Veritas」を創設した人物で、大手メディアのCNNについて「ブラック・ライブズ・マター(BLM)のプロパガンダ部門」「評価を上げるために新型コロナウイルス感染症の死者数を誇大宣伝している」といった独自の主張を繰り広げていました。オキーフ氏は2021年4月に「プラットフォームの操作とスパムに関するポリシー」に違反したとしてアカウントを凍結されていましたが、2022年12月16日に凍結を解除されました。オキーフ氏は凍結解除をアピールするツイートを投稿しています。
I’M BACK ON TWITTER LIKE I NEVER LEFT #VERITAS pic.twitter.com/Mq5Kxygi3v
— James O'Keefe (@JamesOKeefeIII) December 16, 2022
◆ミンディ・ロビンソン
ロビンソン氏はモデルやリアリティ番組の出演者として活躍する人物で、2020年の議員選挙では共和党の候補として出馬していました。ロビンソン氏はQアノンの支持者としても知られており、2021年1月に発生したアメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件の際には「議事堂の襲撃はBLMの活動家によって扇動された」「BLMの活動家はドナルド・トランプ氏の支持者になりすましていた」といった主張を繰り広げていました。ロビンソン氏はアカウントの凍結解除後に星条旗の前で銃を構える写真と共に「誰がTwitterに戻ってきたと思いますか」と投稿しています。
Guess who’s back on Twitter!
— Mindy Robinson ???????? (@iheartmindy) December 16, 2022
Comment below if I used to follow you so I can follow you back on here, it only showed 33 followers as of this morning instead of the 200k+ there was for whatever reason. pic.twitter.com/9WRvvUDBqG
上記のアカウントはMedia Matters for Americaが報告したアカウントの一部に過ぎず、Media Matters for Americaは他にも反ワクチン情報を拡散していた人物や、陰謀論を拡散していた人物の凍結解除を多数報告しています。
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