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Twitterの元従業員が「サウジアラビアのスパイ」として反政府的なユーザーの情報を漏らした罪で懲役3年半の刑を宣告される


Twitterの元従業員である男が、サウジアラビア政府に批判的なユーザーの電話番号や生年月日といった個人情報を政府のエージェントに流し、見返りに賄賂を受け取った罪で3年半の実刑判決を言い渡されました。

Ex-Twitter worker gets 3-1/2-year U.S. prison term for spying for Saudi Arabia | Reuters
https://www.reuters.com/legal/ex-twitter-worker-gets-3-12-year-prison-sentence-spying-saudi-arabia-2022-12-15/

Former Twitter employee sentenced to more than three years in prison for spying for Saudi Arabia
https://www.nbcnews.com/tech/security/former-twitter-employee-sentenced-three-years-prison-spying-saudi-arab-rcna61384

Ex-Twitter employee receives over three years in prison for spying for Saudi Arabia - The Verge
https://www.theverge.com/2022/12/15/23510619/twitter-employee-saudi-arabia-spying-sentenced-three-half-years-prison

今回、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所で実刑判決が宣告されたのは、アメリカとレバノンの二重国籍を持つ元Twitter従業員のAhmad Abouammoです。Abouammoは中東と北アフリカにおけるTwitterのメディアパートナーシップのマネージャーを務めていた2014年、サウジアラビア政府のエージェントから依頼を受けて、サウジアラビア政府に批判的なユーザーの個人情報を渡したとされています。


Abouammoは2人のTwitterユーザーの電話番号やメールアドレス、生年月日などの情報を漏らした見返りとして、4万2000ドル(約580万円)の時計や2回にわたる10万ドル(約1400万円)の電信振込をもらったとのこと。また、2015年にTwitterを辞めた後も、Abouammoは元同僚に連絡して特定のアカウントを確認するように求めたり、エージェントが「Twitterの利用規約に違反している」と主張する投稿を削除するように依頼したりと、サウジアラビア政府を支援する動きを続けていました。なお、受け取った賄賂の一部はワシントン州シアトルに購入した自宅の頭金になったそうです。

Abouammoは2019年に逮捕され、2022年8月にはサウジアラビアの代理人としての行動、マネー ロンダリング、電信詐欺の共謀、記録の改ざんなどの罪で有罪判決が下されています。

Twitterの元従業員が賄賂を受け取りサウジ政府に個人情報を流したとして有罪判決を受ける - GIGAZINE


Abouammoの公選弁護団は量刑を巡り、事件当時のAbouammoは生まれたばかりの娘の医療費や、妹に関係する経済的問題に悩まされていたと主張。また、Abouammoと共にスパイ行為に従事したもののサウジアラビアに逃亡した元Twitter従業員のAli Alzabarahは、数千件ものTwitterアカウントにアクセスしていることがわかっており、これと比較するとAbouammoの罪は軽いとして、ワシントン州の自宅での保護観察判決を求めていました。

一方、検察官は「テクノロジーやソーシャルメディア業界の他の企業が、脆弱(ぜいじゃく)なユーザーのデータを売り渡すのを抑止するため、十分に重い判決でなくてはなりません」と主張し、7年超の懲役を求刑していました。

そして12月14日、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所において、Abouammoは懲役3年半の実刑判決を宣告されました。ロイターのコメント要請に対し、Abouammoの公選弁護団やTwitter、サウジアラビア大使館は応答しなかったとのことです。


NBCニュースは今回の事件について、Twitterが保存しているデータに外国のスパイが価値を見いだしていることを示すものだと指摘。「すべての大手ハイテク企業はすべて情報収集の対象となり得ますが、Twitterは世界中のデモ参加者や反体制派にとって重要なプラットフォームとして機能しているため、長年にわたり特に標的とされてきました」と述べています。

実際、Twitterの元セキュリティ責任者であるピーター・ザトコ氏は、インド中国のスパイがTwitterの社内に送り込まれていた可能性が高いと主張しています。2022年9月にアメリカ議会上院の司法委員会で証言した際、ザトコ氏は「私たちには外国のスパイを見つけ出し、追い出す能力が不足していました」と述べました

サウジアラビア政府はSNSにおける反政府的な活動を厳しく取り締まっており、2022年にはサウジアラビアにおける女性の権利を訴えている活動家のサルマ・シェハブ氏が、Twitterでの活動を理由に34年の禁錮刑を言い渡されています。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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