ツイートのファクトチェックをTwitterユーザーみんなの力で行う「コミュニティノート」が日本を含む全世界で利用可能に
Twitterのユーザーが誤解を招く可能性のあるツイートに「ノート」を残し、ユーザー同士で評価し合ってファクトチェックを行う機能「コミュニティノート」がTwitterで公開されました。
Home | Community Notes Guide
https://twitter.github.io/communitynotes/
Beginning today, Community Notes are visible around the world ????????????
— Community Notes (@CommunityNotes) December 11, 2022
コミュニティノートは、誤解を招く可能性のあるツイートに対して、コミュニティノートに参加したユーザーがツイートの文脈を説明するノートを残すことができる機能です。コミュニティノートに参加したユーザーがツイートにノートを付けると、そのノートはまずコミュニティノート内で公開されて参加者の中で評価が行われます。その中でアルゴリズムが最も「役に立つ」と判断したノート1つが全ユーザーに公開され、誤解を招く可能性のあるツイートに付けられるようになります。
実際に「役に立つ」と判断されたノートは以下のリンクから確認することができます。
コミュニティノート / Twitter
https://twitter.com/i/communitynotes/rated_helpful
ノートが付けられたツイートの一例が以下のNew York Postの投稿。New York Postは「武漢の研究所に勤務していた科学者がCOVIDは人工のウイルスであると発言」という見出しとともに自社の記事リンクを公開していますが、そのツイートの下部に、「閲覧したユーザーが他のユーザーにとって役立つと思う背景情報を追加しました」というノートが付けられているのが分かります。これはつまり、コミュニティノートの参加者がこのツイートに対しファクトチェックを行ったということ。この部分をクリックするとノートの詳細を表示できます。
詳細を表示するとこんな感じ。コミュニティノートのユーザーにより「この見出しは誤りです。この科学者は武漢ではなく、ニューヨークのEcoHealth Allianceに勤務していました。このツイートに対する彼の返信をご覧ください」と書かれており、別のツイートへのリンクも貼られています。
引用されているのはNew York Postが記事で取り上げている科学者のアンドリュー・ハフ氏本人によるツイート。ハフ氏は「私はWIV(武漢ウイルス研究所)ではなくEcoHealth Allianceで働いていましたが」と言っており、ノートの信ぴょう性を担保するものとなっています。
I worked at EcoHealth Alliance not at the WIV.
— Dr. Andrew G. Huff (@AGHuff) December 3, 2022
Oh well. ????
コミュニティノートにはTwitterのアカウントを保有する人物であれば誰でも参加することができますが、いくつかの基準を満たす必要があります。その基準とは「最近、Twitterのルール違反に関する通知を受け取っていないこと」「アカウント作成から少なくとも6カ月が経過していること」「電話番号を認証済みであること」の3つ。さらに電話番号に関しては、「信頼できる電話会社のものであること」「他のコミュニティノートアカウントと紐付けられていないこと」が条件として設定されています。
実際に参加するにはまず以下のリンクをクリックし、「コミュニティノートに参加」をクリックします。なお、元は「Birdwatch」と呼ばれる機能だったため、URLが「join-birdwatch」となっています。
Twitter
https://twitter.com/i/flow/join-birdwatch
すべての項目にチェックが入っていることを確認し、「次へ」をクリック。
「理解を深めることに貢献する」「誠意をもって行動する」「意見が合わない場合でも協力的に行動する」という3つに同意する場合はチェックを入れ、さらに「次へ」をクリック。
投稿の公開に同意する場合、「同意して完了」をクリックします。
「OK」を押せば終了。準備ができたら、利用方法が記載された通知が送られてきます。
コミュニティノートにおいては「投稿が公開される」ということですが、実際には投稿者にエイリアス、つまり仮名が付けられるため、実際のTwitterアカウントとは紐付けられないようになっています。これにより「誰が評価したのか」というバイアスを減らし、特定の誰かからの圧力や報復を受けることなくツイートを評価できるようになることが期待されています。
ただし、コミュニティノートでは説明責任を正しく果たすことも目的とされているため、すべての参加者にはプロフィールページが設けられています。このページから過去のノートや評価を確認することが可能。実際に確認するにはノートのメニューアイコンをクリックします。
「ノートの詳細」をクリック。
「プロフィールを表示」をクリックします。
出てきたプロフィールページがこんな感じ。「Carefree Watermelon Penguin」というエイリアスや、過去に作成したノートの一覧が表示されています。
Twitterは全ユーザーに公開されるノートについて、単純に評価された数で決定しているのではないと説明しています。また、Twitterは組織的な評価付けを減らす措置を採っているほか、視点の多様性を求めるために各参加者の評価傾向なども参照しているとのこと。例えば同じノートを同じように評価する参加者の傾向は似ているといえますが、異なる評価をする参加者は異なる視点を持っているといえます。異なる視点を持つ参加者同士が同じノートを同じように評価した場合、その評価は「ノートが役に立つ」という指標になり得るとのこと。
コミュニティノートはGitHubでリボジトリが公開されているほか、透明性を高めるために「ノート」や「評価データ」といったすべてのデータが公開されています。
データをダウンロード / Twitter
https://twitter.com/i/birdwatch/download-data
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