変電所が銃で襲撃され非常事態宣言と同時に夜間外出禁止令を発令するというとんでもない事態がアメリカで発生

アメリカ・ノースカロライナ州ムーア郡で、複数の変電所に異常が発生して4万軒以上の住宅やオフィスが停電状態になったと報じられています。当局は少なくとも2つの変電所が銃撃によって損傷したことを確認したと報告しており、非常事態を宣言すると同時に夜間外出禁止令も発令する事態に発展しています。

Emergency Declared and Curfew Ordered Following Moore Power Grid Attack | News | thepilot.com
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現地時間の2022年12月3日20時45分頃、ムーア郡南部の約1万2000人が住む地区で停電が発生しました。その後、停電範囲は拡大し、1時間もたたないうちにムーア郡のほとんどが停電に見舞われたとのこと。

同日21時頃、電力会社デューク・エナジーの地区代表であるデビッド・マクニール氏は、少なくとも2つの変電所が破壊されたと報告。その後さらなる調査で、変電所が銃撃によって破壊されたことが判明しました。

壊された変電所のゲート

電力監視サイトのpoweroutage.usのデータによると、3日22時30分には4万6000人以上、つまり郡の住民の約63.7％が停電に見舞われていたとのこと。ムーア郡保安官事務所は、この事態を犯罪事件として調査するという声明を発表しました。

停電による病院への影響が危惧されましたが、緊急治療室を備える大きな病院では非常用電源システムが問題なく稼働したため、ただちに影響はないとのこと。ただし、ムーア郡にある3つの診療所は停電によって営業停止の状況だそうです。

4日16時にムーア郡当局は非常事態を宣言。さらに同日21時から5日7時までの外出を禁止する外出禁止令を発令しました。また、5日は公園やレクリエーションプログラムなど、必須ではないサービスはすべて停止され、一部の施設は閉鎖されることも発表されました。

ただし、地元の図書館では、通常の図書館サービスは利用できないものの、地元住民向けに10時から16時まで開館し、温かい飲み物やボードゲーム、お菓子、充電ステーションを提供すると発表しています。

ムーア郡のロニー・フィールズ保安官は「今回の事件は、これまでの40年のキャリアの中でも異質です。これは標的を絞った攻撃であり、自分のやった行為を正確に把握しています」と述べ、個人あるいは複数の個人による計画的な犯行だと推測しています。

ムーア郡のトム・マッキニス上院議員は、今回の変電所銃撃を「意図的で悪意のある行為」と非難しています。また、リチャード・ハドソン下院議員は、すでにFBIがこの事件の解決に乗り出しているとコメントしています。