Twitter幹部がイーロン・マスクに解雇されるのを防ぐために裁判所の差し止め命令を取得
アイルランドのTwitterで公共政策担当グローバルヴァイスプレジデントを務めるSinead McSweeney氏が、Twitterを買収してCEOに就任したイーロン・マスク氏から一方的に解雇されるのを防ぐために、アイルランドのダブリン高等裁判所から一時的に差し止め命令を取得することに成功したとThe Irish Timesが報じています。
Dublin-based Twitter executive secures injunction to prevent dismissal – The Irish Times
https://www.irishtimes.com/technology/big-tech/2022/11/25/dublin-based-twitter-executive-gets-injunction-to-prevent-dismissal/
A Twitter executive got a court injunction to prevent Elon Musk from firing her - The Verge
https://www.theverge.com/2022/11/26/23479275/twitter-executive-court-injunction-elon-musk-fired-sinead-mcsweeney
マスク氏は2022年10月27日にTwitterを買収してから大規模な人員整理を実施しており、Twitterの従業員数は買収後に7500人から2700人まで激減しています。この人員整理の中で、マスク氏は社員に向けて「明日までにハードコアな職場を受け入れるか辞めるか決めろ」と通告したことが明らかになっていました。
イーロン・マスクがTwitter社員に「明日までにハードコアな職場を受け入れるか辞めるか決めろ」と最後通牒を突きつける - GIGAZINE
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マスク氏はこのハードコアなTwitterに参加するか否かについて、2022年11月16日に従業員にメールでフォームへの署名を求めており、これに応じなかった場合は退職扱いとなり2か月分の給与と福利厚生、そして1か月分の退職金を支払うと述べました。
McSweeney氏はこのフォームに署名していなかったため、退職扱いとなり仕事用のアカウントおよびダブリンにあるTwitterアイルランドのオフィスから締め出されることになったそうです。McSweeney氏はこのフォームに署名しなかった理由を、「マスク氏がTwitterに残ることに決めた従業員に対して何を期待しているかが説明されておらず、退職金パッケージは私がTwitterと結んだ契約上の権利を満たしていなかったから」と説明しています。その後、McSweeney氏は11月18日にTwitterから「辞職した」扱いになったことを知らせるメールを受け取ったそうです。
これに対して、McSweeney氏はTwitterを退職するつもりはないことを連絡したところ、Twitter側の弁護士から「会社に留まることを望んでいる」という連絡が入り、同氏のアカウントを回復することが約束されたそうです。しかし、それ以降もMcSweeney氏のアカウントはロックされたままで、Twitterアイルランドのオフィスに入ることもできず、重要な会議に参加することができなかったとMcSweeney氏は語っています。
これを受け、McSweeney氏は契約上の権利にもかかわらずTwitterでの仕事をこなせておらず、同社が一方的に自身を解雇する可能性があるとして、ダブリン高等裁判所に差し止め命令を請求。裁判所のBrian O'Moore判事は、11月25日にTwitterがMcSweeney氏を解雇することを禁止する仮の差し止め命令を下しました。これにより、TwitterはMcSweeney氏を一方的に解雇することができなくなりました。ただし、McSweeney氏の復職を強制するものではありません。また、これはあくまで一時的なものであり、ダブリン高等裁判所は2022年11月の第5週にも訴訟を再審理する予定です。
なお、マスク氏のTwitter買収以降、多くの従業員が不安定な雇用に直面しています。ある幹部は、マスク氏に慰留されてTwitterに残ることを決めたにもかかわらず解雇されています。
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