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画像生成AI「Stable Diffusion」「Midjourney」「DALL-E」などで生成した画像のアップロードと販売をGetty Imagesが禁止、ユーザーが法的なリスクに直面する可能性があるという懸念が理由


写真・画像・動画・音楽などのデータ素材をインターネット経由で配布する大手ストックフォトのGetty Imagesが、著作権侵害問題を恐れて「Stable Diffusion」「Midjourney」「DALL-E」などの画像生成AIが生成した画像をアップロード・販売することを禁止すると発表しました。

Fearing copyright issues, Getty Images bans AI-generated artwork | Ars Technica
https://arstechnica.com/information-technology/2022/09/fearing-copyright-issues-getty-images-bans-ai-generated-artwork/

Getty Images bans AI-generated content over fears of legal challenges - The Verge
https://www.theverge.com/2022/9/21/23364696/getty-images-ai-ban-generated-artwork-illustration-copyright

Getty bans AI-generated art due to copyright concerns • The Register
https://www.theregister.com/2022/09/21/getty_images_ai_art_banned/

Can You Use AI-Generated Art in Your Digital Marketing and Content Efforts? | Social Media Today
https://www.socialmediatoday.com/news/can-you-use-ai-generated-art-in-your-digital-marketing-and-content-efforts/632398/

Getty Imagesが下した「Stable Diffusion」をはじめとする画像生成AIを用いて生成した画像のアップロードおよび販売を禁止するという決定は、NewgroundsPurplePortDogpatch Pressといったプラットフォームの決定に続くものです。ただし、同様の決定を下した「ユーザーが生成した画像を配布するコンテンツプラットフォーム」の中で、Getty Imagesは最も大きな規模のプラットフォームであると言えます。

Getty Imagesのクレイグ・ピーターCEOは、海外メディアのThe Vergeに対し、「画像生成AIから出力される画像の著作権に関しては本当に懸念があり、画像・画像のメタデータ・画像に含まれる個人に関する未解決の権利といった問題があります」と言及。つまり、AIが生成した画像を販売することでGetty Imagesユーザーが何らかの法的リスクにさらされる可能性があるとピーターCEOは懸念しているわけです。


画像生成AI技術の代表格であるStable Diffusionなどのソフトウェアは、個人のアートやニュースサイトに投稿されている写真、Getty Imagesのようなフォトストックサイトなどにアップロードされている「著作権で保護された画像」をトレーニングに用いています。アメリカではウェブスクレイピングが合法であるため、「著作権で保護された画像」をトレーニングに使用していたとしても、AIが出力する画像はフェアユースに該当すると画像生成AIの開発者たちは主張しているわけです。

しかし、画像生成AIの中には元データの画風を真似するAIなども存在するため、アーティスト界隈からはAI関連の規制を強めるための新しい法律の施行を求める声も上がっています。


なお、ピーターCEOはGetty ImagesがAIが生成した画像を販売したことで著作権侵害などの法的措置を受けたかに関するコメントを拒否しました。ピーターCEOは「Getty Images上ではAI生成画像が非常に限られている」とし、AI画像の禁止について「顧客の評判やブランド、収益へのリスクを回避するために設けた規則です」と説明しています。

大手フォトストックサービスのShutterstockは、AI生成画像も取り扱っていることを宣伝しているフォトストックのひとつだったそうですが、これらの作品の一部を削除していることが確認されています。ただし、記事作成時点ではAI画像の利用を禁止するようなポリシーは導入されていません。

この他、ファーリーに焦点を当てたソーシャルアートサイトのFurAffinityは、人間のアーティストによる作品を守るためにAI画像を禁止することを決定しています。FurAffinityの関係者は「AIと機械学習アプリケーションは、他アーティストの作品をサンプリングしてコンテンツを作成します。生成されたコンテンツは他アーティストの何百、何千もの作品を参照し、類似画像を作成します」「我々の目標はアーティストとアーティストによるコンテンツをサポートすることです。サイトでAI生成画像を許可することは、コミュニティにとっての最善の利益になるとは考えられません」とコメントしています。

ただし、Getty ImagesではAI生成画像の特定と報告を完全にユーザーに頼っており、記事作成時点ではC2PAと協力して判別用のフィルターを作成している段階だそうです。しかし、The Vergeは「完全に信頼できるAI生成画像を判別するための自動化フィルターは存在しないため、Getty ImagesがAI生成画像の禁止をどれだけ簡単にプラットフォーム上で実行できるかは明らかではありません」と記しました。

なお、知的財産・IT・AI・ベンチャービジネス関連の法律事務所であるSTORIA法律事務所が、Stable Diffusionをはじめとする画像自動生成AIをどのように利用すると著作権を侵害し、どのような場合なら侵害しないのかをパターン別にまとめています。

Midjourney、Stable Diffusion、mimicなどの画像自動生成AIと著作権 | STORIA法律事務所
https://storialaw.jp/blog/8820

Midjourney、Stable Diffusion、mimicなどの画像自動生成AIと著作権(その2) | STORIA法律事務所
https://storialaw.jp/blog/8883

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in Posted by logu_ii

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