史上初のウェブカメラ「QuickCam」とは一体どのようなものだったのか?
1994年に登場し、当時はMacでのみ利用可能だったビデオカメラ「QuickCam」について、YouTubeチャンネルのThe 8-Bit Guyやブロガーのジョン・ウォールシャイト氏らが解説しています。
Connectix QuickCam - by John Paul Wohlscheid
https://computeradsfromthepast.substack.com/p/connectix-quickcam
The 1st ever webcam - Connectix Quickcam - YouTube
これがQuickCamのパッケージ。
今でこそ「ウェブカメラ」という単語は一般的ですが、QuickCamが発売された当時はそのような言葉はありませんでした。実際、ウェブカメラという言葉が登場したのはQuickCamの発売から1~2年たった後だったとのこと。
内容物はQuickCam本体
インストール用フロッピーディスク
マニュアルです。
PCとはパラレルポートで接続します。
QuickCamは320×240ピクセルで撮影可能。言い換えると0.8メガピクセルですが、そのような表現は1994年当時には存在しなかったとThe 8-Bit Guyは解説します。また、QuickCamは最大16階調のグレースケールを表現できました。
設置のためには、まず付属している三角形の土台を用意。
こんな感じに乗せて使用するとのこと。
また、三脚などに取り付けるためのネジ穴も備わっています。
QuickCamを使用するにはソフトのインストールが必要ですが、フロッピーディスク1枚分なので1分もかからないとのこと。
ソフトは基本の「QuickPict」と、動画のクリップを作成するための「QuickMovie」の2つがインストールされます。
QuickPictはこんな感じ。QuickCamで鮮明な画像を撮影するためには、QuickPictで輝度やコントラストなどの細かい調整が必要だったとのこと。
フレームレートは15fpsで、The 8-Bit Guyいわく「ひどいものだった」そうです。実際にQuickCamを使用していたというThe 8-Bit Guyが、1995~1996年に撮影したという自分の画像が以下。
当時カメラといえばフィルムカメラでしたが、フィルムを持ち歩くのが煩わしいと感じたThe 8-Bit Guyは主にQuickCamを使用していたそうです。
また、The 8-Bit Guyは時々カメラをPCに接続して持ち歩いていました。
実際に撮影したものはこんな感じだったそうです。
なお、The 8-Bit Guyは白黒撮影しかできないQuickCamでカラー写真を撮影していたとのこと。やり方は、まず赤・緑・青のカラーフィルターを用意。
それぞれのフィルターを介した写真を1枚ずつ撮影し、ソフトウェアで合成します。
元の色合いがこんな感じのぬいぐるみを……
おおむね正確に撮影できます。
今回The 8-Bit Guyが用いたQuickCamは初期のバージョンですが、後にUSB接続を可能にし階調を拡張したものが登場しています。4年間で100万台が販売されるなど好調だったQuickCamですが、1998年に開発元のConnectix CorpがLogitechに買収されています。
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