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人間の動きを学習して3日でサッカーの動きを学習できるAI学習システムが開発される


Googleの関連企業であるAI開発企業DeepMindが、人間の動きを参考に「立ち上がって歩行する方法」から「サッカーをプレイする方法」までを学べるAI技術を開発しました。開発された学習手法では従来の手法と比べて実際の人間や動物に近い動きを学習可能で、公開されたムービーにはAIがドリブルやパスを駆使ししてサッカーをプレイする様子が収録されています。

From motor control to team play in simulated humanoid football | Science Robotics
https://doi.org/10.1126/scirobotics.abo0235

From motor control to embodied intelligence
https://www.deepmind.com/blog/from-motor-control-to-embodied-intelligence

Watch how an AI system learns to play soccer from scratch
https://techxplore.com/news/2022-09-ai-soccer.html

AIに人間や動物の動きを学ばせることは、現実世界のロボットの動作システムを開発する際に大きく役立ちます。しかし、「大量のデータを学習させ、目的を達成できるように最適化する」という従来の学習方法では、現実世界のロボットに応用することが困難な奇妙な動きを学習してしまうことが多くありました。以下の画像をクリックすると、従来の学習方法による奇妙な動きの一例を確認できます。


研究チームは「現実世界に応用できる動作を学習するのが困難」という問題を解決するべく、「人間の動作をモーションキャプチャーし、その動作をAIに模倣させる」という学習方法を編み出しました。以下の画像をクリックすると、人間の動き(黄色)とモーションキャプチャーから人間の動作を模倣するAI(灰色)の様子を確認できます。


以下のムービーでは、上記の方法を用いてサッカー選手の動作をAIに学習させ、「歩く方法」から「サッカーを2対2でプレイする方法」までを学ぶ様子を確認できます。

AI system learns to play soccer from scratch - YouTube


実験では、腕や胴体などの部位に関節を持った人体モデルが用いられました。


また、実験に用いるサッカー場は四方が壁に囲まれており、ルールも実験用に簡略化されています。


上記の条件で、AIはモーションキャプチャーデータから動きからを「立ち上がる」「走る」「ドリブル」「シュート」「パス」「ブロック」といった動作を学習しました。


学習開始前は、以下のように人体モデルは立ち上がることすらできません。


学習開始から3日目には、「走る」「ドリブル」「シュート」といった基本的な動作が可能になりました。


そして学習開始から50日目には、味方とパスを回しながらゴールを目指すという現実世界に近いサッカープレイが可能となりました。


研究チームによると、従来の学習方法によって獲得してしまう奇妙な動きをロボットに適用すると、ロボット自身や周囲に損害を与える可能性があるとのこと。今回開発された学習方法を採用することで、ロボットが安全かつ効率的な動きを獲得可能になることが期待されています。

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in ソフトウェア,   サイエンス, Posted by log1o_hf

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