生き物

1936年を最後に姿を消したフクロオオカミを遺伝子編集技術で復活させようとするチームが誕生

by Alan

かつてオーストラリアのタスマニア島に生息し、20世紀に絶滅したとされるフクロオオカミを現代によみがえらせるべく、メルボルン大学のアンドリュー・パスク氏率いる研究室が遺伝子編集技術を用いて絶滅動物の復活を目指す企業のColossal Biosciencesと提携したことを明らかにしました。

Lab takes ‘giant leap’ toward thylacine de-extinction with Colossal genetic engineering technology partnership
https://www.unimelb.edu.au/newsroom/news/2022/august/lab-takes-giant-leap-toward-thylacine-de-extinction-with-colossal-genetic-engineering-technology-partnership2


Thylacine
https://colossal.com/thylacine/

フクロオオカミはタスマニアタイガーとも呼ばれる有袋類で、かつてオーストラリアのタスマニア島で繁栄していました。しかし、人間による狩猟や別種との縄張り争いにより次第に数を減らし、1936年に最後の個体が飼育下で死亡し、絶滅したとされています。

パスク氏率いるチームはこのフクロオオカミを復活させるべくColossal Biosciencesと提携。これによりパスク氏らはCRISPRを応用した遺伝子編集技術へアクセスできるようになり、知識のある科学者と資金を持った企業が協力してフクロオオカミの復活に取り組むことが可能となります。


フクロオオカミは比較的新しく絶滅した種のため、多くの胚と標本が今でも保存されているとのこと。さらにゲノム配列もすでに解読されており、標本から抽出したDNAを比較的近い種に注入してiPS細胞を生成し、CRISPRおよびその他ゲノム編集技術を用いてフクロオオカミの胚の生成・代理出産を行うことが可能だとColossal Biosciencesは主張しています。

パスク氏は「私たちはフクロオオカミを復活させるという同じビジョンと情熱を分かち合っています。両者が協力することで、期待以上に早くこの目標を実現することができるでしょう。10年後には、フクロオオカミの赤ちゃんが再び誕生することになると思います」と述べました。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1p_kr

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