サイエンス

上腕二頭筋は「1日3秒」で鍛えられる


筋肉ムキムキになるためには高負荷のトレーニングを行うことが必要と考えている人も多いはず。しかし、オーストラリアのエディスコーワン大学でスポーツ科学を研究する野坂和則教授の研究では1日に6回ダンベルを持ち上げたり、1日3秒力を入れたりするだけで筋肉の肥大&筋力の増強が可能であることが明らかになっています。

Greater effects by performing a small number of eccentric contractions daily than a larger number of them once a week - Wiley Online Library
https://doi.org/10.1111/sms.14220

Effect of daily 3‐s maximum voluntary isometric, concentric, or eccentric contraction on elbow flexor strength - Wiley Online Library
https://doi.org/10.1111/sms.14138

Exercise answer: Research shows it’s how often you do it, not how much - ECU Newsroom
https://www.ecu.edu.au/newsroom/articles/research/exercise-answer-research-shows-its-how-often-you-do-it-not-how-much

野坂教授の研究では、被験者を「1日6回のアームカールを1週間のうち5日実施するグループA」「1日30回のアームカールを1週間のうち1日実施するグループB」「1日6回のアームカールを1週間のうち1日実施するグループC」の3グループに分け、4週間後に上腕二頭筋のサイズおよび筋力を測定。その結果、グループBでは筋肉が5.8%大きくなったものの、筋力の変化は確認できず、グループAでは筋肉のサイズがグループBと同様に増大し、筋力も10%以上増強したことが確認されました。

また、野坂教授が以前に行った「『上腕二頭筋に1日3秒間最大負荷をかける』という運動を1週間のうち5日、4週間続ける」という実験でも、筋力が10%以上増強することが確認されています。これらの研究結果から、野坂教授は「多くの人はジムで長時間筋力トレーニングを実施する必要があると考えていますが、実際には重たいダンベルを1日に1回~6回ゆっくり降ろすだけで十分なのです」と述べています。


少ない負荷で筋力が増強される明確な理由は明らかになっていませんが、野坂教授は「たとえ24時間運動を続けたとしても、まったく効果はありません。筋肉の適応は、休息している際に起こります」と述べ、上記の実験では休息日が1週間のうち2日あったことが功を奏したと指摘しています。また、野坂教授は「今回の研究では上腕二頭筋を対象としましたが、(少ない負荷の運動を週に5日行うという運動方法は)他の筋肉の成長にも当てはまると考えています」と述べています。

なお、厚生労働省は健康の向上のために運動やスポーツなどの活動を日常生活に取り入れることを推奨しています。野坂教授も「今回の研究結果は、少量の運動を蓄積することの重要性を示しています」「週に1回ジムに通うよりも、家で毎日少しずつ運動する方が効果的です」と述べ、運動を日々の活動に取り入れることの重要性を訴えています。

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in サイエンス, Posted by log1o_hf

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