Terra(LUNA)崩壊で破綻した仮想通貨ファンド「3AC」の創業者が弁済手続き前に逃亡
2022年3月時点で約100億ドル(約1兆3700億円)の資産を運用するも仮想通貨急落で財政破綻した仮想通貨ファンド「Three Arrows Capital(3AC)」の創業者2名が、顧客への弁済手続きを前に行方が分からなくなっていることが明らかになりました。
Founders of bankrupt crypto hedge fund Three Arrows go missing
https://www.cnbc.com/2022/07/12/founders-of-bankrupt-crypto-hedge-fund-three-arrows-go-missing.html
3ACは仮想通貨のベンチャーキャピタルとして成長していたものの、2022年5月頃から相次いだ仮想通貨の急落の影響を大きく受けて財政が破綻。2022年7月1日にニューヨーク南部地区の裁判所へ破産申請を行っていました。破産申請に先立ち、イギリス領ヴァージン諸島の裁判所は弁済を命令。資金を託していた顧客へ可能な限り清算手続きを進めるよう求めました。
しかし顧客を代表する弁護士によると、弁済手続きに向けて行われるはずだった公聴会を目前にして、3ACの創業者であるZhu Su氏とKyle Davies氏の物理的な居場所が分からなくなってしまったとのこと。
両氏は公聴会の1週間前に行われたZoomミーティングには参加していたとのことですが、どちらもビデオをオンにせず、その間はミュートのままで、すべての対話を弁護士を通じて行っていたそう。両者の弁護士は当時「弁済に協力するつもりだ」と述べていたとのこと。
3ACの破産により、同社に資金を貸していたデジタル資産仲介会社のVoyager Digitalも連鎖的に破産しているほか、金融サービスを提供するGenesisやBlockFi、BitMEX、FTXも損失に見舞われています。
弁済手続きについては、3ACを監督する立場についたアドバイザリー企業のTeneoが今後支援していくとのこと。しかしTeneoは仮想通貨のデジタルな性質から「資産を追及する即時権限がなければ資産が消滅するリスクがある」と述べており、顧客の間には資金が戻らないのではと懸念する声も上がっています。実際に3ACが保有するNFT(非代替性トークン)が別の暗号ウォレットに移されたことが確認されたそうで、顧客は3ACによる資産の譲渡または処分を一切停止するよう、裁判所へ要請していると報じられています。
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