メモ

欧州議会が天然ガス・原子力エネルギーを「グリーンエネルギー」と見なす規制案を支持


天然ガスおよび原子力による発電を気候に優しい「グリーン」なエネルギーとみなす欧州連合の規制案を、欧州議会が支持しました。同規制案は2023年頃までの法制化が進められます。

Natural gas projects are 'green' or 'sustainable,' EU parliament says - CNN
https://edition.cnn.com/2022/07/06/world/eu-votes-natural-gas-nuclear-green-sustainable-climate/index.html

EU parliament backs labelling gas and nuclear investments as green | Reuters
https://www.reuters.com/business/sustainable-business/eu-parliament-vote-green-gas-nuclear-rules-2022-07-06/

El gas y la energía nuclear, en camino de ser considerados sostenibles por el Parlamento Europeo
https://www.france24.com/es/europa/20220707-gas-energia-nuclear-sostenible-parlamento-europeo

欧州連合は、地球の温室効果ガス排出量を2030年までに1990年のレベルから55%削減し、排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計を実質ゼロにする「正味ゼロ(ネットゼロ)」を2050年までに達成する誓約を打ち立てています。


上記目標を達成するため、欧州連合は企業の経済活動が地球環境にとって持続可能であるかどうかを判定し、グリーンな投資を促すEU独自の仕組み「EUタクソノミー」を策定。企業には「EUタクソノミーに適合した経済活動の割合」を算出・公開することを求め、その情報を参考に投資家らに「グリーンな投資」を行ってもらうことが期待されていました。

2022年2月、欧州委員会は上記の仕組みに天然ガスおよび原子力を加える規制案を策定。2つの発電方法は「EUの気候・環境目標に沿っており、石炭を含む化石燃料に依存する現状から気候に中立な未来への移行を促すのに役立つ」とし、天然ガスおよび原子力による発電をEUタクソノミーに加えることで、両者への投資活動を促そうとしました。

しかし、天然ガスおよび原子力を「グリーン」なエネルギーと見なすことについては議員や専門家らの間で反対意見もあり、一部団体は法的措置も辞さない構えも見せていました。


2022年7月6日、欧州議会は規制案を拒否する動議を反対多数で否決。投票には欧州議会議員639人が参加し、328人が反対、278人が賛成、33人が棄権しました。この決議により、27の加盟国のうち20カ国が規制案を拒否しない限り、2023年に法制化が行われる見通しとなりました。

ドイツの地方公共サービス協会の責任者を務めるイングバート・リービング氏は、この決定を「気候目標を達成するために天然ガスが果たす役割を示す重要な兆候です」と述べ、施行を歓迎しました。一方で反対派のグレタ・トゥーンベリ氏は「切実に必要とされている真の持続可能な移行を遅らせ、ロシアの燃料への依存を高めるでしょう」と意見しました。

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in Posted by log1p_kr

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