ネットサービス

GoogleやYouTubeでは新型コロナやウイグル自治区に関する中国政府寄りな情報がトップに表示されてしまう


GoogleやBingなどの検索エンジンでは、各検索エンジンのアルゴリズムに基づいて検索結果の順位を決定しています。経済や外交に関する研究を行う非営利団体「Brookings」が行った調査によって、GoogleやBingでは中国国営メディアの情報が頻繁に検索結果上位に表示されることが判明しました。

Winning the web: How Beijing exploits search results to shape views of Xinjiang and COVID-19
https://www.brookings.edu/research/winning-the-web-how-beijing-exploits-search-results-to-shape-views-of-xinjiang-and-covid-19/

中国政府は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行源が中国国外にあると主張したり、新疆ウイグル自治区でのウイグル族迫害を否定したりと、政府にとって都合の悪い情報を隠していることが報じられています。Brookingsは大手検索エンジンが提示する情報にも中国政府によって操作された情報が含まれているのか否かを確かめるべく、「Google」「Google News」「Bing」「Bing News」「YouTube」で「Xinjiang(新疆ウイグル自治区)」「COVID-19」といった語句を検索し、検索結果の1ページ目に中国国営メディアが表示される割合を調査しました。

以下のグラフはニュース検索、ウェブ検索、YouTubeにおいて120日間にわたって「Xinjiang Terrorism(新疆ウイグル自治区 テロリズム)」と検索し、検索結果の1ページ目に中国国営メディアが表示された回数を示しています。ニュース検索では中国国営メディアが120日間表示され続け、ウェブ検索では116日、YouTubeでも118日と、ほとんどの日に中国国営メディアが表示されていたことが分かります。


さらに「Xinjiang Debunked(Debunkedは「○○の真実」「○○のウソを暴く」などの意)」で検索した場合は、ニュース検索とウェブ検索で中国国営メディアが毎日1ページ目に表示され、YouTubeでは120日のうち118日でトップページに表示されました。


以下は2021年12月21日にYouTubeで「Xinjiang」と検索した際の検索結果です。検索の2番目と3番目に中国国営メディアのCGTNが制作したムービーが表示されています。


また、中国国営メディアは「新型コロナウイルスはアメリカの生物兵器研究施設『フォート・デトリック』で開発された」という情報を拡散しています。以下の図は縦軸が検索順位、横軸が時間を表し、フォート・デトリックとCOVID-19を関連付ける情報を検索した際に中国国営メディアが作成した情報(青)と中国国営メディア以外が作成した情報(灰色)のどちらが表示されたかが示されています。図を確認するとYouTubeでは中国国営メディアの情報が検索結果上位に多く表示されていることがわかります。


これらの結果から、BrookingsはGoogleやBingが中国政府によって操作された情報を拡散してしまっていると指摘。GoogleやBingに対して国営メディアの情報にラベルを付けることや、検索結果の品質が疑わしい場合にユーザーへ通知するこなどを求めています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
中国政府が隠ぺいするウイグル強制収容所を衛星写真から発見する手法とは? - GIGAZINE

「新型コロナは人工ウイルス説」の削除措置を取りやめるとFacebookが表明 - GIGAZINE

Appleの風力発電パートナーがウイグル人の強制労働に関与か - GIGAZINE

アリババが「ウイグル人を識別する顔認識クラウドサービス」を提供していたとの指摘 - GIGAZINE

Huaweiが中国のAI大手Megviiと協力して「ウイグル人アラーム」を開発していたことが機密文書から判明 - GIGAZINE

新型コロナウイルスの「武漢研究所流出説」が世界を動かすまでの戦いとは? - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1o_hf

You can read the machine translated English article here.