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無料で自分のチップを作れるGoogle後援の「Open MPWプログラム」が登場、設計図を送ればオリジナルのチップが手元に


チップ設計プラットフォームのEfablessがGoogleのサポートを受けて展開する「Open MPWプログラム」が開催中です。オープンソースでチップの設計図を作成し提出すれば、製造・輸送費などすべて無料でオリジナルのチップが手に入るチャンスが与えられます。締め切りは2022年6月8日です。

efabless.com
https://efabless.com/open_shuttle_program

半導体を設計するメーカーは、半導体製造の依頼先であるファウンドリから「Process Design Kit(PDK)」と呼ばれる開発キットを購入するのが一般的ですが、PDKは非常に高価です。そのため、Googleは2020年に半導体ファウンドリの「SkyWater」と協力して業界初のオープンソースのPDKを公開。さらにGoogleは半導体企業のEfablessにも出資し、Multi-project wafer(MPW)と呼ばれる、ひとつのウェハー上に複数の回路を混在させて製造する技術を用いてチップを試作するサービスを提供する予定としていました。

Googleが半導体チップの設計に必要な「PDK」をオープンソース化するプロジェクトを支援 - GIGAZINE


今回そのサービスが実現し、プロジェクトが完全にオープンソースであり、他のプログラムの要件を満たしていれば誰でも参加することができるOpen MPWプログラムがスタートしました。

チップの設計を試みるユーザーは、SkyWaterが公開している130nmプロセスのPDKを用いて設計し、GitHubのリポジトリに投稿して一般公開とする必要があります。


さらに、Googleの包括的な言語ガイドラインに準拠し、EfablessのCaravelに基づくテストハーネスとパッドフレームを使用する必要があるなど、プロジェクトにはいくつかの要件が設定されています。実際に製造までこぎ着けるには、Open MPWプログラムの事前チェックツールに合格し、Caravelに統合された設計のシミュレーションテストベンチを実装して合格する必要があります。

プログラムは2022年6月8日に締め切られ、8月30日に製造完了・梱包開始予定。2022年10月18日に設計者の元に出荷される予定です。このプログラムでは、製作、梱包、発送にかかる費用はGoogleが負担します。

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in ハードウェア, Posted by log1p_kr

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