VRに「呼吸」の概念を導入可能な「AirResマスク」が登場
VRヘッドセットと一緒に装着して、呼吸による操作や息のしやすさのフィードバックを受けられる「AirResマスク」を、オーストリア・ザルツブルク応用科学大学のMarkus Tatzgern氏らの研究チームが発表しました。研究チームが公開した動画を見ると、息を吐いてVR上で楽器を演奏したり、逆にVR上での息切れや息苦しさをリアルに体感したりしている様子を見ることが可能です。
AirRes Mask: A Precise and Robust Virtual Reality Breathing Interface Utilizing Breathing Resistance as Output Modality | CHI Conference on Human Factors in Computing Systems
https://dl.acm.org/doi/10.1145/3491102.3502090
AirRes Mask: A Precise and Robust Virtual Reality Breathing Interface - YouTube
これが「AirResマスク」です。
特徴的なバルブ部分には、サーボモーターで制御された回転ディスクがあり、これでユーザーの呼気の勢いを検知したり息のしやすさをコントロールしたりします。
研究チームがテストをする際に考案したシチュエーションは、息を吐くことによるハーモニカの演奏や……
バースデーケーキのろうそく消し
吹き矢
息を止めて手のブレを抑える射撃
風船を膨らませることなど。
逆に、呼吸のしやすさを制御することで、ゲーム中の環境をフィードバックすることも可能。例えば、VR消防訓練では部屋の中に充満した煙による息苦しさや……
脱出のために走った際の息切れが再現できます。ユーザーが呼吸できなくなると危険なので、空気が完全に遮断されないよう設計されているほか、マスクと制御装置の接続が切れたりバッテリー残量が少なくなったりすると、自動的にバルブが全開になるとのこと。
実際にテストユーザーに使ってもらった結果、多くのユーザーが「マスクがあるとジョイスティックだけしかない時より臨場感が増した」と答えたとのことです。
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