ロシアがウクライナから略奪した500万ドル相当の農耕用車両が遠隔操作により利用不可能に
ウクライナ南部のメリトポリ市を占拠したロシア軍は、現地で総計500万ドル(約6億円)相当の農耕用車両を略奪しています。しかし、リモートロックにより、奪った車両が1台も使えない状態になっていることが報じられています。
Farm vehicles removed from Ukraine by Russians who find they've been remotely disabled - CNN
https://edition.cnn.com/2022/05/01/europe/russia-farm-vehicles-ukraine-disabled-melitopol-intl/index.html
CNNによると、地元の農耕用車両販売店で取り扱われているコンバインやトラクターなど農耕用車両27台がロシア軍によって接収されたとのこと。総額およそ500万ドル相当の農耕用車両はすべて白いZが書かれた軍用トラックに乗せられるところが監視カメラに収められていたそうです。
農耕用車両に搭載されたGPSによって、ロシア軍のトラックは700マイル(約1100km)離れたチェチェンの農村に移動したことが判明。しかし、匿名の情報提供者によれば、メリトポリから盗まれた農耕用車両はすべてリモートでロックをかけられたため、ロシア軍は農耕用車両の電源を入れることすらできなかったとのこと。
結果として、盗まれた車両は1台も稼働することなく、そのままチェチェンの首都グロズヌイ郊外の農場に隠されている状態だとのこと。ただし、情報提供者は「ロシア軍は農耕用車両のリモートロックを外す業者をすでに手配しているようだ」と証言しています。リモートロックを外した農耕用車両はロシア軍によって売りさばかれるとみられています。
なお、メリトポリではロシア軍による略奪が横行しており、年間数十万トンも生産される穀物も奪われているとのこと。CNNによれば、ロシア軍は地元の農家に穀物の半分を明け渡すように交渉したそうですが、穀物をサイロから運び出すためのエレベーターも、貨物船に乗せるための港も稼働していないため、農家は穀物を全く動かせないとのこと。結果としてロシア軍はメリトポリの穀物をすべて奪い、トラックに乗せてクリミア地方に向けて運び出しているそうです。
・関連記事
ロシアによる侵攻以降にウクライナに対して実行された200件超のサイバー攻撃はわずか6人による犯行だったとMicrosoftが報告 - GIGAZINE
ウクライナ政府が中国・DJI製ドローンの使用中止を勧告、空いた席をアメリカのメーカーが狙う - GIGAZINE
ロシア軍の無線傍受から「ブチャの市民虐殺はロシア軍の計画的な戦略」だったことが暴かれたとの報道 - GIGAZINE
ロシア軍の残虐行為を暴いた人工衛星の性能はどれほどなのか? - GIGAZINE
ウクライナの民間人がロシア兵に毒物を食べさせて殺害、毒入りの酒で病院に担ぎ込まれるロシア兵も - GIGAZINE
・関連コンテンツ