600億円超えの資金を環境に優しい仮想通貨マイニング技術開発企業「Crusoe」が調達、油田の過剰天然ガスを使用
ビットコインなどの仮想通貨のマイニングには非常に多くの電力が必要であり、マイニングが環境悪化を引き起こしているという指摘もあります。そんな中、「石油生産時の余剰ガスを用いてマイニングを実行し、二酸化炭素排出量を63%削減する」というシステムを開発する企業「Crusoe」が5億500万ドル(約646億円)の資金調達に成功したこを発表しました。
Crusoe Energy Systems Closes $505 Million in New Capital Led by Climate Technology Investors G2 Venture Partners, Prepares Launch of CrusoeCloud™ | Business Wire
https://www.businesswire.com/news/home/20220420005676/en/
ビットコインなどの仮想通貨におけるマイニングとは、簡単に説明すると「コンピューターで非常に複雑な計算問題を解く処理」のことで、マイニングを効率的に実行するために処理能力の高いコンピュータを集めたマイニング工場が世界中に建設されています。この結果、マイニングのために使われる電力はオランダやUAEにおける電力消費量を超える規模に達しており、マイニングのせいで地球温暖化が進むという指摘も存在しています。
今回5億500万ドルの資金調達に成功したCrusoeは、油田から発生する天然ガスを用いてマイニングに必要な電力を確保する仕組みを開発する企業です。一般的に油田から発生するガスは不純物を多く含むことや輸送コストがかかることからエネルギー源としては利用されず、採油施設で燃焼されています。Crusoeが開発したシステムでは、油田で発生したガスをマイニングに利用することで二酸化炭素排出量を最大63%削減できるとのこと。
発表によると、Crusoeのシステムは86箇所で運用されており、すでに二酸化炭素排出量を年間65万トン削減しているとのこと。CrusoeのCEOを務めるChase Lochmiller氏は「今回調達に成功した資金は、計算ワークロードとエネルギー源の垂直統合を拡大することに役立ちます」と述べています。
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