「日本のヤクザリーダーを地対空ミサイルや麻薬密売の容疑で逮捕した」と司法省が発表
日本のヤクザであり多国籍犯罪シンジケートのリーダーでもあるエビサワ・タケシ容疑者ら4人を逮捕したことを、ニューヨーク州南部地区連邦検事のダミアン・ウィリアムズ氏とアメリカ麻薬取締局(DEA)の管理者であるアン・ミルグラム氏が発表しました。
U.S. Attorney Announces Arrests Of A Yakuza Leader And Affiliates For International Trafficking Of Narcotics And Weapons, Including Surface-To-Air Missiles | USAO-SDNY | Department of Justice
https://www.justice.gov/usao-sdny/pr/manhattan-us-attorney-announces-arrests-yakuza-leader-and-affiliates-international
エビサワ・タケシ容疑者、ソンフォップ・シンガシリ容疑者、スクサン・ジュラナン容疑者、ソンパック・ルークラサラーネー容疑者の4人が、国際麻薬武器取引犯罪に加担したとして逮捕されました。日本人のエビサワ容疑者、アメリカとタイのハーフであるジュラナン容疑者、タイ人のルークラサラーネー容疑者の3人はアメリカのマンハッタンで2022年4月4日に逮捕され、タイ人のシンガシリ容疑者は翌日の4月5日に同じくマンハッタンで逮捕されています。
ダミアン・ウィリアムズ氏によると、今回逮捕された4人は密輸した麻薬をニューヨークで、武器を情勢が不安定な国で売りさばいていたとのこと。DEAの管理者であるアン・ミルグラム氏は、「エビサワ容疑者と彼の仲間は毎日300人近くのアメリカ人が薬物の過剰摂取で命を落としている時に、危険な武器を使って犯罪活動を行いながら、数百kgものメタンフェタミンやヘロインを密売してきました。その犯罪シンジケートの中心人物を逮捕できたことは、アメリカおよび国際的なパートナーに対して、危険な麻薬をアメリカで氾濫させ続けている麻薬密売組織を率いる犯罪者を裁判にかけるというDEAの揺るぎない決意を示すことにつながります」と述べました。
マンハッタン連邦裁判所に提出された訴状によると、DEAは2019年頃からエビサワ容疑者らについて調査を続けてきたそうです。エビサワ容疑者は大規模な麻薬や武器の密売、人身売買を行う日本のヤクザで、同氏の率いる犯罪シンジケートはアジア・ヨーロッパ・アメリカに複数の関連会社を持っており、同組織は高度に組織化された犯罪ネットワークを有しているとのこと。訴状には「同組織は武器の密売、麻薬の密売、人身売買、詐欺、マネーロンダリングといった犯罪行為に関与している」と記されており、エビサワ容疑者の犯罪シンジケートは日本・タイ・ミャンマー・スリランカ・アメリカで犯罪行為を続けてきたことも明らかになっています。
エビサワ容疑者、ジュラナン容疑者、ルークラサラーネー容疑者の3人はミャンマーの複数の民族武装グループのためにアメリカ製の地対空ミサイルやその他の兵器を密売すべく共謀しました。また、この取引の一部として大量のヘロインとメタンフェタミンを入手しています。なお、この3名はアフガニスタンの米軍基地からアメリカ製の武器を盗み出して密売しており、麻薬はニューヨークで販売していたことが明らかになっています。
さらに、エビサワ容疑者とシンガシリ容疑者はニューヨークで500kgのメタンフェタミンと500kgのヘロインを密売するために共謀しました。シンガシリ容疑者は2021年6月16日と2021年9月27日に、サンプル用のメタンフェタミン約1kgとヘロイン約1.4kgを密輸しており、輸送時の護衛のために機関銃などの銃器も同時に密輸していたようです。
この他、エビサワ容疑者はアメリカから日本への麻薬密輸と10万ドル(約1200万円)規模のマネーロンダリングの容疑もかけられています。
なお、エビサワ容疑者率いる犯罪シンジケートの主要人物を逮捕するために、DEAだけでなくアメリカ国家安全保障局やアメリカの司法省・検事局・国際局、日本の麻薬取締部および警察庁、タイ王国麻薬取締警察、インドネシア国家警察といった機関が協力しています。
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