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Amazonが開発中の従業員向けチャットアプリは「組合」「奴隷労働」「賃上げ」などの単語を禁止している


Amazonが従業員向けに開発しているチャットアプリでは、「組合」「奴隷労働」「賃上げ」などの労働組合結成に関連するような単語の使用が禁じられていると、The Interceptが報じています。

New Amazon Worker Chat App Would Ban Words Like “Union”
https://theintercept.com/2022/04/04/amazon-union-living-wage-restrooms-chat-app/


The Interceptが独自に入手した情報によると、Amazonは従業員向けのチャットアプリを開発していますが、このアプリでは「組合」や「賃上げ」といった労働組合結成に直接つながるような単語と、「奴隷労働」「刑務所」「プランテーション」「トイレ」といったAmazonの労働条件に対する潜在的な批判につながる可能性のある単語の使用が禁じられています。

The Interceptがこの件についてAmazonに問い合わせたところ、「我々のチームは従業員が互いに交流するのを助けるための新しい方法を常に考えています」「特定のプログラムはまだ承認すらされていないため、大幅に変更されるか、全く開始されない可能性すらあります」という返答を得ています。

情報筋によると、Amazonは2021年11月にハイレベルの会議を招集し「トップエグゼクティブが従業員のパフォーマンスを認識できる社内ソーシャルメディアプログラムを作成する計画」について話し合い、従業員向けチャットアプリの開発をスタートした模様。Amazonの世界的な消費者ビジネスの責任者であるデイブ・クラーク氏は、「このプログラムの主な目標は労働者の幸福と生産性を促進することであり、従業員の離職を減らすことでした。アプリにはゲーム化された報酬システムが埋め込まれており、従業員は『直接的なビジネス価値を追加する活動』に対してスターやバッジを授与されます」と述べました。


また会議では、アプリに「自動不正単語モニター」を実装することが考案されたとのこと。これは冒涜的あるいは不適切なキーワードを含むメッセージの送信を従業員に報告し、自動的にブロックするブラックリストを構成します。ただし、冒涜的な表現とは別に「組合」「苦情」「昇給」「報酬」といった単語がブラックリストに含まれます。なお、禁止ワードには「倫理」「不公正」「奴隷」「(奴隷の)主人」「自由」「多様性」「不当」「公正」といった単語も含まれる模様。

The Interceptが独自に入手したAmazonが開発するチャットアプリに関する文書には、「フリーテキストでは視聴者と受信者の間に否定的な感情を生み出すため、メッセージの送信者を危険にさらす可能性があります」「我々はネガティブなアソシエイト体験を防ぐため、投稿できるコンテンツを制限することに注力したいと考えています」と記されていたそうです。

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by logu_ii

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