ゲーム

人や資源を運び都市を拡大していく無料&オープンソースの経営シム「Simutrans」を実際にプレイしてみた


シムシティA列車で行こうCities: Skylinesなどさまざまな経営シミュレーションの中でも、無料&オープンソースな作品が「Simutrans」です。無料にもかかわらず初版が出た1999年から20年以上にわたって精力的にアップデートが続いているという熱量を持っている作品とのことなので、実際にプレイしてみました。

Simutrans - 輸送シミュレーションゲーム
https://www.simutrans.com/ja/

Simutransは独立ソフトウェア版とSteam版が存在するので今回はSteam版をプレイしてみます。

Steam:Simutrans
https://store.steampowered.com/app/434520/Simutrans/

ゲームプレイ画面はこんな感じで、シムシティのように斜めから地域を俯瞰する画面。スタートしたばかりですが、市民が住む町などがあらかじめ用意されています。


操作パネルは画面上部にズラッと並んでいます。


Simutransは資源や人の「輸送」に焦点を当てたゲーム。まずは輸送するモノを見つけるため、上部の操作パネルからマップを開きます。


マップウィンドウは「都市」「市域」などの各種情報をマップ上に表示できる機能が搭載されています。「産業」をクリックして強調表示し、「炭鉱」にマウスカーソルを合わせた様子が以下。炭鉱に関連する「石炭発電所」も名称が表示されています。


実際に炭鉱に移動し、詳細を表示した様子が以下。「最高生産」というのがこの炭鉱の生産を示しており、現状は30.2単位/分というペースで生産を行っているようですが、「石炭 404/404t」となっており、現状は石炭を生産しているものの、流通が途絶えているため在庫が最大まで溜まってしまっている様子。


プレイヤーが行うのは、生産施設と生産施設をつなげて流通を復活させること。今回はこの炭鉱と関連する産業施設の「石炭発電所」をつなぎます。


つなぐ手法は自動車・船舶・飛行機などがありますが、今回は鉄道を使います。鉄道アイコンをクリックすると、以下のように鉄道関連の施設が一覧表示されます。鉄道関連の建築物だけでも、木造枕木の標準軌道・第三軌条・鉄道橋・信号機・プラットフォーム・機関庫など非常に色々あるのですが、基本的には線路とホーム、機関庫があればとりあえず機能します。


各種線路は左上の数値が制限速度を示しています。今回は一番安い60km制限の「旧型軌道」を炭鉱と石炭発電所を結ぶように敷設します。


炭鉱と石炭発電所の前に駅をそれぞれ設置。


機関庫は線路の終端に建設する必要があるので、支線を引いた先に設置。これで、最低限の鉄道が完成しました。


続いては作成した鉄道で運用する車両を購入します。虫眼鏡モードで機関庫をクリックすると、その路線で運用できる車両の管理ウィンドウが開きます。


この管理ウィンドウでは乗客を輸送する旅客車や駆動部にあたる機関車、貨物を輸送する貨車が管理できます。今回の目的は炭鉱から石炭発電所に石炭を輸送することなので、フィルターから「石炭」を選択。


すると石炭の輸送に関連するもののみが表示されます。大抵の貨物列車は機関車が先頭、後ろに貨車を連結させるという構成が普通なので、まずは機関車をクリックして先頭車両に来るようにします。


続いて連結させる貨車をクリック。クリックするたびに連結車両数を増やせるので、今回は4両編成にしました。


続いては完成した車両を運行させるためのスケジュールを設定します。車両の管理ウィンドウで「スケジュール」をクリックすると、スケジュール用のウィンドウが出るので……


このウィンドウが開いた状態で、炭鉱前の駅と石炭発電所前の駅をクリック。


すると、この2つの駅が停車駅として登録されました。


後は「どのようなタイミングで車両を駅から出発させるか」を設定します。我々が良く乗る一般的な電車と同様、「規定の時刻に出発する」というスケジュールを組むこともできますが、今回は貨物車なので「荷物を一定以上積んだら発車する」という形に設定します。以下のウィンドウの赤枠部分をそれぞれ「積むまで待機」「100」と設定すると、「貨車の積載量が100%に達するまで待機し続ける」というスケジュール設定になります。


これでもろもろ準備が整ったので、車両の管理ウィンドウ「スタート」をクリックし、いざ運行開始。


ところがいつまでたっても車両は発車せず。あれこれ調べたところ、貨車の積載量が66%で止まっていることに気がつきます。改めて車両を見てみると、なんだかホームからはみ出している……。 というわけで、4両目の貨車がホームからはみ出ていたため、この貨車に石炭が積まれなかったことが原因でした。


4両目の貨車にも石炭を詰めるように新しいホームをつなげる形で設置したところ、積載量が100%に達して運行がスタートしました。


この車両は鉱山と石炭発電所をひたすらピストン輸送し続け、プレイヤーにお金を還元してくれます。これはあくまで最序盤にすぎず、次は駅をどこに作るか、線路はどのように敷設するか、駅をいかに効率化していくか……とやるべきことは多々あります。経営シミュレーションゲームはいろいろとありますが、Simutransは特に「輸送によって都市を運営していく」ところに重点が置かれており、交通網を中心とした都市計画が好きな人にオススメです。


Simutransは「Pak」と呼ばれるグラフィックセット非常に豊富というのも特徴で、日本をテーマにしたPakも存在します。また、この手のゲームとしてはマルチプレイに対応しているというのも特徴的。一方、UIはやや古くさく、チュートリアルなども特にないのでプレイのハードルは高め。初期設定では建物の維持費が割高で黒字化が結構難しいというのもとっつきにくさに拍車をかけている印象です。


とはいえ、Simutransは「無料」のゲーム。体験版どころか全ての要素がタダでプレイできるので、とりあえずプレイしてどんなゲームか実感することができます。簡単な黒字化については高度な設定から「maintenance_building」で建物の維持費を下げるという手法があり、チュートリアルがない点については以下のファンメイドWikiを一読してみることをオススメします。

FrontPage - Simutrans日本語化・解説
https://japanese.simutrans.com/index.php?FrontPage

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
名作歴史戦略ゲーム「シヴィライゼーション」を元に製作されたブラウザでサクッとプレイ可能なオープンソースのフリーゲーム「Freeciv-web」 - GIGAZINE

鉄道会社を経営して開拓時代のアメリカを蒸気機関車で発展させる「レイルウェイ エンパイア」プレイレビュー - GIGAZINE

強い馬を育てつつ競馬界に人脈を広げ世界のレースも目指す「Winning Post 9 2021」プレイレビュー - GIGAZINE

桃鉄シリーズ最新作のNintendo Switch「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~」レビュー、過去作そのものなプレイ性に多数の新要素が追加された完全新作 - GIGAZINE

in ゲーム, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.