メモ

「ギフテッド」を教育するときの適切な指導法&不適切な指導法


同じ環境にいる子どもと比較して先天的に高い知性を持ち、より高いパフォーマンスを発揮する子どもがギフテッドと呼ばれる存在です。ギフテッドを支援する国際組織・National Association for Gifted Children(NAGC)が、ギフテッドに対する適切な指導法と不適切な指導法を解説しています。

What it Means to Teach Gifted Learners Well | National Association for Gifted Children
http://www.nagc.org/resources-publications/gifted-education-practices/what-it-means-teach-gifted-learners-well

◆適切な方法
・全ての子どもと同じ環境
ギフテッドの才能を伸ばすのは、無味乾燥なカリキュラムでは困難で、ほかの子どもたちと同じように豊かな学習経験が必要です。ギフテッドの発想を豊かにし、困難に立ち向かう力を付けさせるために、子どものしつけ方として知られた「しつけの一般原則(General Principles of Discipline)」に従った教育が必要。ギフテッドだけでなく、すべての子どもたちが一緒に集う環境で育てるべきだとのこと。

・個人に応じたペース配分
ギフテッドは通常ほかの子どもたちよりも早く学習するため、より迅速な指導が必要です。早すぎる学習はしばしば教育者を不安にさせますが、ギフテッドにとっては快適なものであるとのことです。

・より高度な教育
ギフテッドはより複雑で、抽象的で、多面的な問題に取り組むべきであり、このことがギフテッドの洞察力を大きく向上させるとNAGCは指摘。ギフテッドは常にとは言えないまでも、曖昧な問題に関して他の人よりも高度な独立性を持って対応する可能性があるとのこと。

・適切なサポート
ギフテッドはほかの子どもたちよりもいい成績を残すことが続くと、それを自覚することで「他の人よりも優秀であることを期待されている」ように感じることがあるとのこと。そのような子どもに負荷の高い課題を与えてしまうと、学習が困難になるだけでなく、期待を裏切ることへの恐怖を感じさせてしまう恐れがあるとのことで、教育者はきちんと子どもが十分な知識を持っていることを確認したうえで指導を行うことが大切です。


◆不適切な方法
・反復学習
多くのギフテッドは得た知識やアイデアを基に次の課題をこなすことを得意とするため、すでに知っていることを学習させたり、同じ課題をもっと早く解くよう求めたりする指導を、NAGCは「興味とやる気の殺人者」だと表現しています。また、余った時間にパズルを解かせたり教室の雑用をさせたりといった質の低い時間の使わせ方をさせるのもよくありません。

・長時間の独学
「後ろで本でも読んでいなさい」などと言ってほかの子どもと離すような行為は「全ての子どもに教育者は必要である」という大前提に反しており、子どもの社会的および感情的な成長を阻害するとのこと。

・断片的な学習体験
ギフテッドに対する指導において、斬新で「視点を豊かにする取り組み」は適切とはいえません。たとえば、ピアノの才能を持ったギフテッドに対して、おもちゃのピアノを作らせたり、音楽界で起きたヘンなできごとを教えたり、音楽家の名前探しゲームをさせたりするのは「音楽教師の資質を疑う」ものだと指摘。やるべきは、音楽の理論や演奏へ取り組むことで、音楽家はどのように考えどのように活動するのかを知ることや、専門家レベルの演奏をするにはどう動けばよいかを自分自身で認識することだと述べています。


ギフテッドへの教育方法は年齢や学習スタイル、性別や文化、学校に上がる以前からいろいろなことを経験している子どもとそうでない子どもで異なります。NAGCは「ここで述べた考えはあくまで理論であり、子どもが継続的に進歩していけるような柔軟な学校教育が求められます」と述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
高いIQの人ほど病気になりやすいことが判明、その理由とは? - GIGAZINE

万能の天才ダ・ヴィンチは発達障害だったのかもしれない - GIGAZINE

IQが高い子どもよりも「動機付け」がうまくできている子どものほうが人生で成功を収めやすいことが判明 - GIGAZINE

in Posted by log1p_kr

You can read the machine translated English article here.