AI

AIは全人類が飲むミネラルウォーターと同程度の水を消費している


AIの開発や実行には高性能なプロセッサーを用いた計算処理が必要で、プロセッサーを冷却するための水も大量に必要です。新たにアムステルダム自由大学に所属するデータサイエンティストのアレックス・デ・フリース=ガオ氏がAIデータセンターによる水の消費量を分析しました。

The carbon and water footprints of data centers and what this could mean for artificial intelligence: Patterns
https://www.cell.com/patterns/fulltext/S2666-3899(25)00278-8

AI’s hidden carbon and water footprint - Vrije Universiteit Amsterdam
https://vu.nl/en/news/2025/ai-s-hidden-carbon-and-water-footprint

AI企業の中にはAIデータセンターの電力や水の使用状況を報告している企業もあります。例えばGoogleはGeminiの電力消費量が1プロンプト当たり0.24Whで、二酸化炭素排出量は0.03g、水の消費量は0.26mlであることを2025年8月に報告しています。ただし、企業の報告では発電所で使用する水などが考慮されていないとのこと。そこで、今回の研究では国際エネルギー機関(IEA)や各企業の報告書を照らし合わせることで、AIに費やされている水の量や二酸化炭素排出量を分析しました。

Geminiは1回ごとに「テレビを9秒みるくらいの電力」と「5滴の水」を消費する - GIGAZINE


分析の結果、AIシステムの年間水消費量は3125億リットル~7646億リットルであることが明らかになりました。これは、世界中で1年間に消費されているボトル入り飲料水と同等の量です。

また、2025年のAIデータセンター全体の電力消費量は約23ギガワットで、二酸化炭素排出量は3260万トン~7970万トンであることも示されました。ニューヨークの2023年の二酸化炭素排出量が5220万トンであったことから、AIが世界の大都市に匹敵する環境負荷を生み出していると言えます。


デ・フリース=ガオ氏は今回の研究結果をもとに「AI企業は発電に関する水の消費量などの詳細を報告していません。AIが持続可能な未来に貢献するには、まずはAIがもたらす環境コストを明確に把握できるようにする必要があります」と述べ、政府と企業に対して透明性のある厳格な報告要件を定めるように求めています。

なお、GoogleやOpenAIやMetaといった大手AI企業は数ギガワット級の大規模AIデータセンターの建設計画を相次いで発表しており、今後も二酸化炭素排出量や水の消費量は増えると見込まれています。AIデータセンターの建設予定地では反対運動が起こることもあり、2025年12月にミシガン州議会議事堂で行われた反対集会には100人超えの市民が集まりました。

AIデータセンター建設反対集会に100人以上が集結 - GIGAZINE

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in AI, Posted by log1o_hf

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