飛行機のトイレタンクが満タンになってあふれることはあるのか?
飛行機に備え付けられているトイレでは、飛行中の排せつ物をタンクにため込んで、飛行場に戻った際に空っぽにしています。旅行関連のデータサイト「Travel Stats Man」は、飛行場にたどり着くまでにトイレタンクがあふれてしまうことがないかをデータを元に検討しています。
Airports Had to Deal With Over 2 Billion Litres of Airplane Toilet Waste in 2019 - Travel Stats Man
https://www.travelstatsman.com/03012022/airports-had-to-deal-with-over-2-billion-litres-of-airplane-toilet-waste-in-2019/
健康関連ウェブサイトのhealthlineによると、1日2リットルの水分を摂取する場合、1日の尿量は800~2000ミリリットルになるとのこと。Travel Stats Manはこのデータが「16時間起床している場合」のデータであると推測し、人間の1時間当たりの尿量を50~125ミリリットルと推定しました。
1時間ごとの人間の尿量をグラフ化したものが以下。赤色の線が1時間当たり125ミリリットルの尿を排せつした場合の尿量で、青色の線が1時間当たり50ミリリットルの尿を排せつした場合の尿量を示しています。Travel Stats Manは一般的な長距離航空路線のフライト時間が6~11時間であることから、1人当たりの飛行機内での最大尿量を11時間のときの1375ミリリットルとして計算を行いました。
「ボーイング747-400」「ボーイング787-8」「エアバスA380」のデータシートからまとめた各機の一般的な座席数・トイレタンクの容量・乗客1人当たりのトイレタンク容量は以下の通り。この結果から、全ての乗客が最大量の尿(1375ミリリットル)を排せつしたとしてもタンクの容量には余裕があることが分かります。
ボーイング747-400 | ボーイング787-8 | エアバスA380 | |
一般的な座席数(人) | 416 | 467 | 525 |
トイレタンクの容量(リットル) | 1135 | 1628 | 2096 |
乗客1人当たりのトイレタンク容量(リットル) | 2.73 | 3.49 | 3.99 |
また、世界中の飛行機の平均フライト時間が4時間であると仮定すると、1人当たり200~500ミリリットルの尿を飛行中に排せつすることになります。この場合、2021年4月だけで257万2000人の乗客が利用した広州白雲国際空港では、1カ月に51万4400リットル~128万6000リットルの尿を回収したと算出されます。さらに、国際民間航空機関(ICAO)によると、2019年の世界全体の飛行機乗客数は45億人に達していたとのことなので、2019年には世界中の空港で9億リットル~22億リットルの尿が回収されたことになります。
Travel Stats Manは上記の算出結果を基に「世界全体で、飛行機の年間排せつ尿量は9億リットル〜22億リットルと推定さました。この量の尿にもかかわらず、飛行機の廃棄物タンクが容量に達することはないでしょう」と述べています。
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