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2700年前の「豪華なトイレ」が出土、王族のトイレか


エルサレムで行われている古代遺跡の発掘調査で、約2700年前のものとみられる「トイレ」が出土しました。このトイレは石灰石で掘られた便座の他にも汚物槽や芳香剤を入れていたと思われる容器30~40個を備えており、王族が用いていたと推定されています。

Biblical-era toilet with possible air fresheners found in Jerusalem - Archaeology - Haaretz.com
https://www.haaretz.com/archaeology/toilet-with-possible-air-fresheners-found-in-first-temple-period-jerusalem-1.10267998

A rare 2,700-year-old luxury toilet found in Jerusalem | Live Science
https://www.livescience.com/ancient-toilet-discovered-royal-mansion-jerusalem

2,700-year-old toilet found in Jerusalem was a rare luxury
https://apnews.com/article/science-jerusalem-middle-east-israel-555ddebe8076d1c7c99c384dae08fc78

2021年10月6日、イスラエル考古学庁に所属する考古学者チームが「トイレと思われる部屋を発見した」と発表しました。考古学者チームのYaakov Billig氏が今回の発見について解説するムービーが以下。

Ancient 2700 Year Old Toilet Discovered in Jerusalem - YouTube


今回発掘調査が行われたのは、イギリス占領時代にイギリス側の長官の住まいが存在したとされるArmon Hanatzivという地域。今回の調査は、イスラエル観光局と複数の自治体の支援によって行われました。


発掘現場は嘆きの壁で知られる神殿の丘を見下ろせる高台の上にあり、今回発掘された遺跡は、約2700年前のユダ王国時代に王族が使った宮殿の1つだった可能性があるとのこと。


出土した宮殿の一部が以下。手すり子ないしは柱の装飾だったと考えられている部品です。


この部品がどのように使われていたかがわかるイメージはこんな感じ。


一連の出土物の中でも考古学チームが特に珍しいと評したのが、「トイレ」でした。実際に出土した石灰岩製の便座が以下。


このトイレは床面積およそ1.5メートル×2メートルで、下層部分に深い汚物層を備えており、便座の周囲からは芳香剤を入れていたと思われる容器30~40個も出土したとのこと。トイレの近くからは、観賞用の樹木・果樹・水生植物などの痕跡も発見されています。


研究チームがこのトイレを特に珍しいとしたのは、この宮殿が存在したと考えられるユダ王国時代には私用トイレはごく限られた裕福な人物しか持ち得ないような贅沢品だったと考えられているため。同種の私用トイレの発掘例は過去数例しか存在せず、ユダ王国時代から1000年後にあたるユダヤ教の聖典「ミシュナー」にも、ミシュナーに登場する中で最も高名な聖職者とされるヨッシが「金持ちの定義とは、自分の机の隣にトイレを持つことである」と提言したという一文が存在するほど、長きにわたって私用トイレは贅沢の象徴だと考えられていました。

今回出土した汚物層からは大量の陶器や動物の骨などが発見されており、内部の土とともに回収されたとのこと。こうした回収物は当時のライフスタイルや食生活、疾病について新たな光を当てると期待されています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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