原材料が豆100%で高たんぱく・低糖質なのにもちもちの「ゼンブマメロニ」は本当にマカロニの代わりになるのか?グラタンなどあれこれ作ってみた
小麦粉を一切使わず、原材料は「豆のみ」にもかかわらずモチモチ食感の「ゼンブヌードル」を開発するミツカンのZENB(ゼンブ)に、2021年12月1日から「ZENB MAMERONI(ゼンブマメロニ)」が登場しています。「植物を可能な限りまるごと使った食品」であるゼンブマメロニは高たんぱく・低糖質になっており、食物繊維が豊富な低GIのグルテンフリー食品となっています。糖質を制限したい人にとって「パスタや麺の代わりになる食品」の完成度はかなり重要ですが、ゼンブマメロニの味や食感は本当にマカロニの代わりになるのか……?ということで、実際に食べてみました。
ZENB MAMERONI(ゼンブマメロニ)|マカロニ|ZENB(ゼンブ)公式通販
https://zenb.jp/pages/mameroni
◆だしが取れるという「ゼンブマメロニ」でツナ缶和風スープパスタを作ってみた
◆ゆでただけの「ゼンブマメロニ」でも食べられるのか?
◆材料を放り込むだけで完成する「サバ缶トマトスープ」
◆小麦粉不使用・グルテンフリーのZENB流ミルクグラタンの完成度は?
◆ゼンブマメロニで本格的なパスタを作るとどうなるのか?
◆豆腐の代わりにゼンブマメロニを使った「マーボーマメロニ」
ゼンブマメロニは「ZENB」のロゴが入った箱で到着。
箱の中にはマメロニスタートブックとゼンブマメロニのパッケージが入っていました。パッケージサイズは縦27cm×横18cmほどで、1袋あたり250gです。
パッケージ裏面の原材料名には「黄えんどう豆粉」とあるのみで、豆のうす皮までまるごと使っているとのこと。つなぎの小麦粉など一切入っていないので、グルテンや小麦粉を避けたい人の選択肢になります。なお、賞味期限は製品到着日から2年ほどとなっていました。
栄養成分表示には100gあたりのカロリーなどが書かれていました。ゼンブマメロニはだいたい1食50gで、ゆでると115gになるとのこと。100gあたりのカロリーは330kcalなので、1食に換算すると約165kcalとなっています。
またマメロニスタートブックによると、ゆであがり後の1食あたりの栄養成分値は、たんぱく質が9.1g、糖質が22.7g、食物繊維が7.8g。通常のマカロニと比べてたんぱく質は1.3倍、食物繊維は2.2倍、ごはんと比べるとたんぱく質は3.4倍、食物繊維は2.2倍と多く、糖質は30%オフとなっています。大豆製品は脂質が多くなりがちですが、ゼンブマメロニは原材料に大豆ではなく黄えんどう豆を使うことで、脂質を抑えているそうです。
実際にゼンブマメロニを開けてみるとこんな感じ。
乾麺の状態だとサイズは2cm強。
一般的なマカロニ(右)と比べるとかなり色がオレンジ寄りです。
◆だしが取れるという「ゼンブマメロニ」でツナ缶和風スープパスタを作ってみた
ゼンブマメロニは公式サイトでレシピ集が公開されているので、このレシピ集を参考にいろいろ作っていこう……と見ていたところ、ゆで汁が「出汁」として使えるとのこと。「一体どういうこと……?」となったので、まずはゆで汁を使ったスープ系レシピから作っていきます。
「ツナ缶和風スープパスタ」の材料は、かいわれ・ツナ・しょうゆ・水・ねぎ・みつば・ゼンブマメロニ。
まずは水600mlを沸かしてゼンブマメロニ40gを投入。ゼンブマメロニのゆで時間は8~10分で、今回はレシピ通り8分で作っていきます。ゆでている最中にふわっとソラマメのような、明らかに小麦麺とは違う香りが漂います。
ゼンブマメロニをゆでている間にねぎ・かいわれ・三つ葉をざくざくカット。
8分経過したらツナ缶・しょうゆ・長ネギを投入して1~2分加熱し……
火を止めたら最後に香味野菜をどばっとかけます。
野菜を切る作業は必要なものの、基本的に「切る」→「火にかける」の2行程のみなので、ものの10分で完成しました。なお、カロリーは1食あたり214kcal、たんぱく質23.2g、糖質21.6gです。
どれどれ……と食べてみたところ、ゼンブマメロニはもちもち感と同時にぷりっとした歯切れの良さがあり、複数人に食べてもらったところ「あまりにマカロニとして違和感がなくて逆に言うことがない……」という意見が多数でした。こんにゃく麺や豆腐干などは味・香り・食感の面で代替麺とわかる「独特の存在感」がありましたが、ゼンブマメロニの場合はスープに入れると「豆」の要素が目立たず、言われなければ小麦でないとは気づきません。またスープは香味野菜のピリッとした刺激や風味がポイントで、しょうゆベースのあっさりしたスープなのですが、たしかに顆粒だしなどを使っていないとは思えないほどの「うまみ」の要素を感じます。
調味料がしょうゆだけとは思えない、かなり強いうまみがあるのは確かですが、「これはもしやツナのうまみなのでは……?」という声も。
◆ゆでただけの「ゼンブマメロニ」でも食べられるのか?
ゼンブマメロニそのものの味や出汁の味を確かめるべく、ゆでただけのゼンブマメロニも食べてみます。
ゆでただけのゼンブマメロニが左、市販のマカロニが右。ゆでた前もゆでた後も、同じぐらいのサイズです。
左が乾麺の状態のゼンブマメロニ、右がゆでた後のゼンブマメロニ。かなり膨らみます。
ゆでたゼンブマメロニのモチっと感は以下のムービーからも確認可能。
原料が100%豆で小麦粉不使用なのにモチモチな「ゼンブマメロニ」はこんな感じ - YouTube
そのままのゼンブマメロニを食べてみたところ、スープにしたときとは全く違う「豆!!!」という強い主張を感じます。市販のマカロニと食べ比べると味の違いは歴然ですが、「違う」というだけで、それがマイナスではなくプラスに働いており、「別ベクトルのおいしさ」「塩をかけるだけでソラマメ風のオヤツになる」という声がありました。また小麦のマカロニのネチッとした食感がゼンブマメロニにはなく、より歯切れのよさが強調されている感じ。小麦のマカロニはゆでた後どんどん柔らかくなっていきますが、ゼンブマメロニは伸びにくく、時間がたっても歯切れの良さが続くのもポイントです。
また、出汁に塩を入れて飲んでみたところ、湯葉や豆腐に通じる風味。カツオ出汁のようにガツンとくる風味はないのですが、確かに優しいうまみがあります。実際にゼンブマメロニの出汁には、うま味成分と共に摂取すると「コク味」を強く感じさせる「グルタチオン」が入っているとのことなので、ツナ缶和風スープの場合はツナとゼンブマメロニの2種のだしが混ざりあって深い味わいを生み出しています。
◆材料を放り込むだけで完成する「サバ缶トマトスープ」
レシピ集を見たところ、「材料を切って放り込むだけ」で完成する楽ちんメニューがたくさんあったので、今度は「サバ缶トマトスープ」を作ってみます。材料はサバ缶・ゼンブマメロニ・乾燥パセリ・水・玉ねぎ・にんにく・塩・トマト缶。
玉ねぎ4分の1を薄切りにし、にんにく1かけを潰したら……
あとは全ての材料を鍋に放り込んで10分煮るだけ。
完成したものがコレ。1食あたりのカロリーは300kcal、たんぱく質26.2g、糖質20.1gです。
和風ツナのスープと同様に「味わいが重くないのにうまみが凝縮されている」仕上がりとなっており、そのお手軽さに反してサバ缶トマトスープは今回作った中で最も人気のメニューでした。香味野菜がないためか、食べた後に少し豆の風味が香りますが、「スープに豆を入れている?」と感じる程度。また、ゼンブマメロニは単体で食べると少しざらっとした舌ざわりがありますが、具がたくさん入っているとそれも目立たなくなり、食感が小麦粉のマカロニにより近づくため、何も言われずに「100%豆のマカロニ」と気づく人は少なそうです。
◆小麦粉不使用・グルテンフリーのZENB流ミルクグラタンの完成度は?
続いて、マカロニを使った料理の定番であるグラタンに挑戦。グラタンはソースに小麦粉を使っていますが、レシピ集にある「ZENB流ミルクグラタン」は小麦粉を使わないグルテンフリーのグラタンです。材料である塩・えび・牛乳・ピザ用チーズ・水・しめじ・ブロッコリー・玉ねぎ・バター・ゼンブマメロニを用意。
切った野菜とむきえびをバターで炒めて……
水と牛乳をくわえたら、乾麺のままのゼンブマメロニを投入。10分煮ていきます。
10分後、塩で味を調えます。しっかりゼンブマメロニは柔らかくなっていましたが、小麦粉を使っていないのでスープのような状態。ねばりけはありません。
これをグラタン皿に移して、ピザ用チーズを載せてトースターへ。
焼き目がついたら完成です。
ミルクの風味、玉ねぎの甘さ、バターやチーズの香ばしさ、ゼンブマメロニのもちもちした食感が一体化した味わいは確かにグラタンのそれ。一方で、小麦粉の風味がないぶん、一般的なグラタンよりもかなりあっさりとしています。また、塩の量を微妙に変えるだけでゼンブマメロニの存在感が目立ったり消えたりするので、ゼンブマメロニの豆っぽさを残したい人は塩少なめ、豆っぽさを消してよりグラタンに近づけたい場合は少し多めで塩を入れてもOK。
チーズの下はさらっとしたミルクスープ風ですが、具だくさんなので物足りなさはなく、グラタン好きな編集部員も「好きな要素はそろっているからこれでいつものグラタンより糖質オフができるならこれがいい」とコメントしていました。
レシピは「1人前」となっていますが全長23cmのお皿にたっぷりなので、2人で食べてもよさそう。カロリーは631kal、たんぱく質44.2g、糖質40gです。
◆ゼンブマメロニで本格的なパスタ料理を作るとどうなるのか?
さらに、「炒める」調理法でゼンブマメロニがどうなるのかも試してみます。作っていくのは「サルシッチャ風ミートパスタ」で、材料はトマト・ズッキーニ・オリーブオイル・バジルなどハーブ・豚ミンチ肉・コショウ・塩・ゼンブマメロニ。
まずはゼンブマメロニをゆでておいて……
その間に豚ミンチに塩とハーブを入れてこねていきます。
野菜もカット。
フライパンにオリーブオイルを引き、ハーブ入りの豚ミンチを厚さ1.5cmほどに広げて焼いていきます。
肉が焼けたらフライパンの空いている部分で野菜を焼いて、全体的に塩で味付けします。
金属製ではないフライ返しなどを使って肉をカット。
ゆであがったゼンブマメロニを加えて……
お皿に盛り、オリーブオイルを回しかけたら完成です。
ゼンブマメロニのゆで時間は8~10分で、今回はアルデンテに仕上げたかったので8分にしました。肉・トマト・ズッキーニ・ハーブという、失敗しようがない組み合わせで、かなりおしゃれな味。サバ缶トマトスープやZENB流ミルクグラタンは後味に少し豆の風味が残りましたが、今回は豚ミンチの塩気やハーブが後味として強いので、後味に豆っぽさはあまり感じません。一方で、料理が温かいうちは「ほぼマカロニ」なのですが、冷めると少し硬くなり豆の味が強く感じられるところはスープと違う点。なお、カロリーは1食あたり387kcal、たんぱく質20.7g、糖質18gです。
◆豆腐の代わりにゼンブマメロニを使った「マーボーマメロニ」
ゼンブマメロニのユニークなところは、原材料が豆なので、マカロニの代わりだけではなく、豆腐などと同じようにして植物由来のたんぱく源としても使えるところ。レシピ集の中には市販のマーボー豆腐の素で作る「マーボーマメロニ」なるメニューがあったので、作ってみました。材料はマーボー豆腐の素・万能ねぎ・ゼンブマメロニ。
今回は柔らかくしていきたいので、ゼンブマメロニを10分ゆでます。
ゆで終わったら、フライパンにマーボー豆腐の素、ゼンブマメロニの出汁1カップを入れて……
沸騰したらゼンブマメロニを入れて炒めていきます。
マーボー豆腐ならぬ、マーボーマメロニの完成。
豆腐の代わりにマカロニを使ったマーボーマメロニですが、柔らかくなるまでゆでたマメロニは食感に違和感はなく、ほのかに香る豆の風味が豆腐のような存在感をかもしだしていました。ただ満場一致で「ごはんが欲しい」となったので、糖質制限をしている人にとっては罪深いメニューになりそうです。
なお、ゼンブマメロニは1袋税込み792円で、以下の公式サイトから購入可能となっています。
ZENB MAMERONI(ゼンブマメロニ)|マカロニ|ZENB(ゼンブ)公式通販
https://zenb.jp/pages/mameroni
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