歯の健康状態が死亡リスクを予測する可能性

大阪大学などの研究チームが75歳以上の高齢者約19万人の歯の状態と死亡率データを解析したところ、「歯の本数や状態」は単なる口の中の健康だけでなく、全身の健康状態や死亡リスクとの関連性がある可能性が示されました。
Assessing the effectivity of counting the number of teeth with their conditions to predict mortality: the OHSAKA study | BMC Oral Health
https://link.springer.com/article/10.1186/s12903-025-07275-6

歯の健康状態が死亡率予測の鍵に! - ResOU
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2025/20251202_3
The State of Your Teeth Could Predict an Early Death, Study Shows : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/the-state-of-your-teeth-could-predict-an-early-death-study-shows
大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センターの山本陵平教授らの研究チームは、2018年~2020年の公的な歯科健診データと医療保険データを組み合わせることで、75歳以上の高齢者19万282人の健康記録と歯科記録を調査しました。歯は健康な「健全歯」、治療済みの「処置歯」、虫歯のまま治療されていない「未処置歯」、抜けている「欠損」の4種類に分類されています。
研究の結果、健全歯と処置歯の合計数が多い人ほど死亡リスクが低い傾向にあることが示されました。過去の研究でも歯の本数や状態と死亡リスクや長期的な健康因子が関係していることを示すものは複数ありますが、単純に「残っている歯の数」を数えたり口の中の状態を1種類の指標で評価したりする場合が多くなっていました。今回の研究では、健全歯だけや処置歯だけ、虫歯のまま治療されていない未処置歯の数だけを数えるよりも、これらを組み合わせて分析した方が死亡リスクの予測の精度が高くなることも示されました。

研究者らは、歯の欠損や虫歯は慢性的な炎症を引き起こし、それが体の他の部位に広がる可能性があると示唆しています。また、歯が少ないと食べ物をかみにくくなり、健康的で栄養価の高い食事を維持するのが難しくなることもあります。歯の状態は心疾患や認知症、糖尿病などさまざまな全身疾患とも関連付けられており、長期的な健康予測因子になり得ると考えられています。
日本では1989年から「8020運動」という「満80歳で20本以上の歯を残そう」という運動が厚生労働省や日本歯科医師会によって推進されています。今回の研究結果は、その考えを科学的に裏付けるものと言えます。
研究チームは「定期的な歯科健診を受け、治療が必要な歯は早期に治療を受けることが生命予後延伸には重要です。また、全死亡率予測という観点においては、本研究結果を歯科診療の場でフィードバックしてもらうことで、早期治療や定期的な歯科メンテナンスを促す一助になり、国民の健康寿命の延伸にも貢献できるのではないかと考えています」と述べています。
ただし、研究チームは今回の結果が分析で記録されていない他の要因の影響を受けている可能性があることを認めています。例えば、適切な歯科ケアができていない人は、社会経済的地位の低さを反映している可能性があり、それが寿命に影響を与えている可能性があります。
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in サイエンス, Posted by log1e_dh
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