イスラエル軍がガザで救急隊員ら15人を銃殺した事件の調査結果が公開される、わずか数mの距離で撃たれた人も

2025年3月23日、ガザ地区南部のラファ近郊でイスラエル軍が人道支援活動を行っていた緊急車両に銃撃を浴びせ、救急医療隊員ら15人を殺害する事件が発生しました。独立団体による共同調査の結果、兵士らは見通しのいい場所で救助車両を待ち伏せ、少なくとも844発の銃弾をわずか5分30秒の間に発射しており、中にはわずか1~4mの至近距離で銃撃された犠牲者もいたことが判明しました。
Israeli-Executions-of-Palestinian-Aid-Workers.pdf
(PDFファイル)https://content.forensic-architecture.org/wp-content/uploads/2026/02/Israeli-Executions-of-Palestinian-Aid-Workers.pdf
Israeli Soldiers Killed Gaza Aid Workers at Point Blank Range in 2025 Massacre: Report
https://www.dropsitenews.com/p/israeli-soldiers-tel-sultan-gaza-red-crescent-civil-defense-massacre-report-forensic-architecture-earshot
2025年3月23日、国際赤十字赤新月社連盟の一員として活動するパレスチナ赤新月社の援助活動家や国連関係者ら15人が、ラファ近郊でイスラエル軍の銃撃を受けて殺害されました。
3月27日に殺害されたうちの1人の遺体が発見され、さらに3日後に残りの遺体が付近の集団墓地で発見されると、イスラエル軍は「ヘッドライトも回転灯も点灯させていない複数の車両が、イスラエル軍に向かって不審な動きで接近してきたため攻撃した」と説明。しかし数日後、犠牲者が死亡直前まで撮影していた映像が公開されると、イスラエル軍は車両が回転灯を点灯させていなかったとの主張を撤回。4月には「幾つかの職務上の失敗」があったと認める検証結果を発表し、現場の指揮に当たっていた副司令官を解任しましたが、事件に関与した部隊への刑事訴追は行いませんでした。
イスラエル軍、ガザ救急隊員ら15人殺害のミス認める 副司令官解任 | ロイター
https://jp.reuters.com/world/security/5YO4NZKKZBMTDE4EVRM5RH6I54-2025-04-20/
今回、独立した調査団体である「Earshot」と「Forensic Architecture」は、犠牲者が撮影した事件当時の映像や音声、オープンソースの画像、ソーシャルメディアへの投稿、襲撃の生存者2人に対するインタビューなどを基に事件当時の状況を再現しました。
調査によると、まずパレスチナ人民解放軍が3月23日の午前3時52分、イスラエル軍による空爆現場に異なる地域から2台の救急車を派遣しました。このうち1台がグシュ・カティフ道路を走行中、回転灯を点灯させていたにもかかわらず、午前4時前にイスラエル軍の銃撃を受けたとのこと。
車両は電柱に衝突して停止しましたが、乗員のムスタファ・カファジャ氏とエズ・エルディン・シャート氏の2人が死亡。後部座席に座っていたパレスチナ赤新月社のムンテル・アベド氏は一命を取り留めましたが、イスラエル軍に連行されて暴行を受け、付近の穴に監禁されました。この際、別のパレスチナ人親子の2人も同じ場所に監禁されていました。イスラエル軍はその後、アベド氏らが乗っていた救急車の南東約38~48mにあるコンクリート構造物の裏手に、兵士を配置して待ち伏せました。
空爆現場に派遣された救急車は任務を終えると、連絡が取れなくなったアベド氏らの救急車の捜索に向かいました。この捜索にはパレスチナ赤新月社の救急車や消防車も同行しており、合計5台の車両にはすべて明確な標識が着けられていたほか、回転灯も点灯させていました。
午前5時9分、アベド氏らが乗っていた救急車を発見した援助活動家らは停車し、徒歩で救急車に近づいていきました。このタイミングで、高台に待ち伏せしていたイスラエル軍が発砲したとのこと。以下の図は2度目の銃撃当時の位置関係を再現したもので、現場は非常に見晴らしがよく、暗いとはいえ回転灯を見落とすことは考えにくいとわかります。

銃撃を受けた際の状況は、パレスチナ赤心月社の支援活動家であるレファト・ラドワン氏が撮影した動画と、同じくパレスチナ赤心月社のアシュラフ・アブ・リブダ氏が死亡直前の午前5時13分にかけた通話記録の音声から明らかになっています。
イスラエル軍は約4分間にわたって緊急車両へ発砲を続け、毎秒約1mの速度で前進して援助活動家らに接近。当然、援助活動家らが発砲することはなかったため問題なく車両に接近できたため、その後は救急車や消防車の間を歩きながら近距離で銃撃して殺害していったとのこと。
アブ・リブダ氏の音声記録を調査したところ、少なくとも8発の銃弾が緊急車両の間から至近距離で発射され、最後の1発はアブ・リブダ氏から1~4mの距離で撃たれたことがわかっています。なお、この銃声を最後にアブ・リブダ氏の声が途切れており、これがアブ・リブダ氏を殺害した銃弾だと示唆されています。
調査の結果、わずか5分30秒の間に少なくとも844発の銃弾が発射され、そのうち少なくとも93%が緊急車両に向けて発射されていたことが判明。音声に基づく弾道分析では少なくとも5人、おそらくそれ以上の兵士が同時に発砲していたことが確認されています。生存者のアベド氏とアサド・アル・ナサスラ氏は、現場には12~30人の兵士がいたと証言しています。
さらに、アベド氏らの救急車が攻撃されてから2時間以上経過した午前6時頃、はっきりと目印を付けた国連車両が現場を通ると、イスラエル軍はこの車両にも発砲して運転手を殺害。数分後に通りかかった国連車両も200m離れた地点で銃撃を受けましたが、運転手は車両を放棄してどうにか逃げ出したとのこと。
一連の攻撃の後、イスラエル軍は現場に残された車両8台を重機で粉砕し、砂の下に埋めようと試みたこともわかっています。以下の写真は、犠牲者の遺体とともに見つかった粉砕された国連車両の残骸です。

アメリカのニューヨークに拠点を置くCenter for Constitutional Rights(憲法権利センター)の上級スタッフ弁護士であるキャサリン・ギャラガー氏は、軍には医療従事者であることを明確に示している者を保護する積極的義務が存在すると指摘。そのため、たとえ敵対勢力の疑いがあったとしても、先制攻撃を加えたイスラエル軍の行為は明確な国際人道法違反だと主張しました。
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