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安い羽根も実はすべて本物で偽物の羽根は存在しない


バドミントンのシャトルやネコ用のおもちゃなど、さまざまなものに羽根が使われています。この羽根は、すべて本物の鳥の羽根で、偽物は存在しないとチャンネル登録者数323万人のYouTubeチャンネル・MinuteEarthが解説しています。

There’s no such thing as a fake feather - YouTube


これらは手芸店で販売されている安価な羽根ですが、すべて本物の鳥の羽根です。


MinuteEarthのイラストレーターであるリサさんは、コスプレ用の衣装を作るのが好きだそうで、衣装製作の際はコスト削減のために安価な素材を探すそうです。


安価な素材は人工毛や合成皮革(フェイクレザー)、人工毛皮(フェイクファー)などプラスチック製のものばかり。ところが、「最も安価な羽根」だけはプラスチック製のものではない、本物の鳥の羽根です。


手芸用の羽根がすべて本物の鳥の羽根である理由のひとつは、「仕事を必要としている本物の鳥の羽根」が大量に存在する、つまりは本物の鳥の羽根が大量に余っているという点です。羽根の供給源となるのは一部の鳥だけではなく、食用のニワトリ・七面鳥・アヒルなどからも羽根が出ます。羽根は毛布やコートの断熱材、染色してボアや扇子などにも使われるそうです。


鳥は一生のあいだ自然に羽根が生え替わるため、ダチョウやクジャクのようなより高級な羽根でさえ、比較的簡単に手に入ります。


「簡単に入手できる」ことだけが一般販売されている羽根が「すべて本物の鳥の羽根」である理由ではありません。羽根を人工で作ろうとしても、プラスチックでは本物の羽根のような形状を再現することが難しいということも大きな要因となっています。


合成皮革は、生地に貼り付けた平らなプラスチックにすぎませんが、安価で本物の革にかなり似ています。人工毛も同様で、プラスチックを細く長い繊維状に引き伸ばしたものです。しっかり観察すればこれらが合成皮革や人工毛であることは判断できますが、離れて見る分には十分です。


一方で、羽根をプラスチックで成形しようとすると、見た目は羽根というよりも葉っぱのようになります。安価で作成することはできるものの、本物の羽根と同じような精巧なものは作れません。


これは本物の羽根が驚くほど複雑な構造をしているためです。例えば、羽根の先端には何千もの微細な面ファスナーのようなフックと小羽枝(羽毛の細かな枝構造)があり、実際のファスナーのように羽根同士を噛み合わせて閉じることができます。


また、金型を使って人工の羽根を作ると、内部がプラスチックの塊になってしまいます。これに対して、本物の鳥の羽根の芯は、スポンジのように空気の隙間が存在しているため、文字どおり「羽のように軽く」なっています。


羽根の表面にあるケラチン(羽毛の主成分となるタンパク質)はプリズムのように光を曲げ、半透明の輝きを生み出します。こうした極小構造の中には10マイクロメートルほどしかないものもあり、プラスチックの金型で再現するにはあまりにも精巧すぎるとMinuteEarthは指摘しています。


素晴らしい人工羽根を作るアーティストやエンジニアもいますが、最良のものほど製作に時間がかかり、難易度も高くなります。そのため、「現時点で羽根の大量生産は、まだ鳥たちの専売特許と言える」とMinuteEarthは語りました。

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in 動画, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article All cheap feathers are actually genuine ….