サイエンス

人は「5秒以上のハグ」によって喜びを強く感じることができる


文化によっては挨拶の1種としても用いられる「ハグ」という行為は、一瞬で終えるのではなく、5秒以上続けることでより「喜び」を感じられるということが実験により明らかになりました。

The influence of duration, arm crossing style, gender, and emotional closeness on hugging behaviour - ScienceDirect
https://doi.org/10.1016/j.actpsy.2021.103441


ロンドン大学で心理学を学ぶAnna Dueren氏らは、ハグという行為が人間の感情に与える影響を探るべく調査を行いました。Dueren氏らは48人の女性被験者を対象に、2人1組でハグをしてもらい、その後の気分を報告してもらうという実験を実施します。

実験の際、ペアの片方は以下のように目隠しをして相手の姿を確認できないようになっていました。この状態で、片方が相手の首元に腕を回す「Neck-waist」と、お互いが背中に腕を回す「Criss-cross」という2種類のハグをそれぞれ1秒・5秒・10秒行うよう被験者は指示されました。


実験の結果は以下の通り。黒い棒が「Criss-cross」、網掛けの棒が「Neck-waist」を表しており、横軸は左から「喜び」「興奮」「支配感」という被験者が抱いた感情、それぞれ1秒・5秒・10秒ハグを続けた結果を表しています。この結果から、ハグによって「喜び」という感情を抱くには1秒では短く、5秒と10秒ではさほど変わらないことから、「5秒がちょうどいい」ということが示されました。また、ハグの種類による差異がほとんどないことも示唆されました。


Dueren氏らは「興奮を誘発しようとする人は1秒、喜びや支配感を誘発しようとする人は5秒または10秒ハグする必要があります」「この調査結果は女性だけに一般化できるものです。また、ハグの強さによっても効果が変わると考えられるため、将来の調査では考慮することが重要です」と述べました。

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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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