スマホや監視カメラの普及がスパイ活動を難しくしている
現代のスパイはスマートフォンをハッキングすることで電話やメッセージを傍受したり、所有者の位置を特定したりすることができますが、一方で、スパイ自身もスマートフォンや監視カメラの普及によって活動が以前より難しい状況にあることをCIA元局長らが語っています。
Biometrics, Smartphones, Surveillance Cameras Pose New Obstacles for U.S. Spies - WSJ
https://www.wsj.com/articles/biometrics-smartphones-surveillance-cameras-pose-new-obstacles-for-u-s-spies-11638009002
Spying much harder, says CIA director, due to smartphones et al- 9to5Mac
https://9to5mac.com/2021/11/29/spying-much-harder-cia-smartphones/
Wall Street Journalによれば、元CIA局長のデュアン・ノーマン氏は「スパイ活動の基本的な要素は破壊されたと思います」と述べたとのこと。
たとえば、現代人が暮らしていく上でスマートフォンや携帯電話を持たないことやインターネットを利用しないことはあり得ないため、「ネット上に電子的な痕跡が一切存在しない」ということそのものが、敵対するスパイ組織からすれば疑いの根拠になります。
西側諸国の元諜報員という人物も「スパイが別人を偽装するのは難しい」と述べており、もはやスパイは他人のふりをするのではなく、「なりすます対象の人物の人生を生きるしかない」とのこと。
このため、現代のスパイは「007」シリーズに登場するジェームズ・ボンドのような1人の超人的な人物ではなく、「ミッション・インポッシブル」のようにチームでの活動が主だそうです。
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