AI分野の「ユニコーン企業」の半数以上は査読付き論文やプレプリントを一度も発表したことがない

AIは科学とビジネスの両面で成長著しい分野であり、評価額が10億ドル(約160億円)を越えるユニコーン企業も多数生まれています。ところが、AI分野のユニコーン企業の半数以上は、査読付き論文やプレプリントの形式で研究結果を公開していないと指摘されています。
Negligible participation in the scientific literature of AI unicorn startups | bioRxiv
https://www.biorxiv.org/content/10.64898/2026.07.15.738744v1
AI’s top startups are barely publishing their research | Science | AAAS
https://www.science.org/content/article/ai-s-top-startups-are-barely-publishing-their-research
先進国を中心に誕生しているAIスタートアップの中には、自社の技術がソフトウェア開発や創薬、科学研究などに大きな革命をもたらすと豪語する企業もあります。そこで、スタンフォード大学医学部のジョン・ヨアニディス教授らの研究チームは、これらのAIスタートアップがどのように研究結果を科学文献として発表し、科学を押し進めているのかを調査しました。
ヨアニディス氏は、以前から科学研究の誠実性や倫理について研究してきた人物であり、2005年には医学研究の再現性に疑念を呈した「Why Most Published Research Findings Are False(なぜ発表された研究のほとんどは偽であるのか)」という論文を発表して注目を集めました。また、2015年には後に巨額の詐欺であると判明した血液検査スタートアップ・セラノスが発表した査読付き論文の少なさを指摘しています。
2019年には、論文評価の指標となっている被引用数を稼ぐため、自分で自分の論文を引用する「被引用数稼ぎ」の実態について報告しました。
論文の価値をゆがめる「論文の被引用数稼ぎ」の実情とは? - GIGAZINE

今回の調査では、1998~2025年に存在した317社のユニコーンAI企業を特定し、これらに関連する学術論文やプレプリントなどを検索しました。そして、企業の研究者が論文で主要な役割を担ったことを示す筆頭著者または最終著者になっているものを選び出し、スタートアップが科学研究にどれほど貢献しているのかを調べました。最終的なデータセットには、査読付き論文1389件とプレプリント688件が含まれたとのこと。
分析の結果、AIスタートアップの半数以上は要件を満たす論文を1件も発表していないことが明らかになりました。論文の引用件数に目を向けてみると、上位5%の企業が全引用数の90%以上を占めており、このうち約40%はOpenAIのもので、これに中国のコンピュータビジョン企業であるMegviiと、AIプラットフォームのHugging Faceが続きました。OpneAIは約4500人の従業員を抱えていますが、要件を満たす論文を5件以上執筆した研究者はわずか8人にとどまっています。
ヨアニディス氏はこの結果について、「科学のあり方を一新するとされており、科学的潜在能力の面でもこれほど進んでいる分野において、科学的裏付けが一切ないというのはとても奇妙な矛盾に思えます。彼らの主張が真実であり、検証済みかつ再現可能であると、どうやって判断できるのでしょうか?」と疑問を呈しました。
アーカンソー大学のAI研究者であるヌル・アフメド氏によると、この状況はAI業界の構造によるものが大きいとのこと。たとえば製薬業界では、科学論文として発表した内容を特許で保護して利益を得ることができますが、AI業界では技術的進歩を公に開示してもほとんど利益が得られません。たとえばGoogleは2017年に、今日の大規模言語モデルの基盤となるTransformerについての論文を発表し、その一部について特許を取得していますが、おそらく誰もこれに対価を支払っていないそうです。
さらに、科学論文の査読には数カ月~数年という時間がかかりますが、AIスタートアップの分野はこれよりはるかに速いペースで活動しています。そのため、多くのAIスタートアップは自身の研究結果を論文という形ではなく、ブログや技術レポートのような形で速やかに公開する手法を採用しています。今回の研究では、こうした論文以外の発表については追跡されていない点に注意が必要です。
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in AI, サイエンス, Posted by log1h_ik
You can read the machine translated English article More than half of the 'unicorn companies….






