Anthropicが中国政府による最新AIモデル「Claude Mythos Preview」へのアクセス許可要求を拒否

Anthropicが2026年4月7日に発表したサイバー攻撃性能が非常に高いAIモデル「Claude Mythos Preview」は、一般公開は控えて一部の組織にのみ限定公開されています。そんなClaude Mythos Previewへのアクセス権を中国のシンクタンクが要求し、Anthropicが拒否したことを関係者が明かしました。
China Sought Access to Anthropic’s Newest A.I. The Answer Was No. - The New York Times
https://www.nytimes.com/2026/05/12/us/politics/china-ai-anthropic-openai-mythos-chatgpt.html

Claude Mythos Previewはソフトウェアの脆弱(ぜいじゃく)性を発見して悪用する能力が極めて高く、Anthropicによると「一握りの人間を除いて、ほとんどの人間を上回るレベル」に達しているとのこと。また、脆弱性を悪用するエクスプロイトの作成も72.4%という高い割合で成功しており、攻撃者による悪用が始まる前にAIを防御目的で使用する緊急の取り組みとして、AIモデルへのアクセス権を特定の組織に付与して脆弱性の発見に役立てる取り組み「Project Glasswing」も開始しています。
サイバー攻撃性能が高すぎるAI「Claude Mythos Preview」をAnthropicが開発、プレビュー版をMicrosoftやAppleなどに提供する「Project Glasswing」も開始 - GIGAZINE

AnthropicはClaude Mythos Previewの危険性を認識して一般公開を控えており、一部のソフトウェア企業や政府機関といった特定の組織のみに限定公開されています。一方で、少数のユーザーがClaude Mythos Previewのアクセス権を不正に入手したことも報じられています。
一部の組織に限定公開されている「Claude Mythos Preview」へのアクセス権が不正ユーザーの手に渡っているとの報道 - GIGAZINE

そんなClaude Mythos Previewについて、中国のシンクタンクからアクセス権の要求があったことが関係者の話から明らかになりました。The New York Timesに話をした関係者によると、2026年4月にシンガポールで開催された会合で、中国のシンクタンクの代表者がAnthropicの幹部に接触し、Claude Mythos Previewのアクセスを中国当局に認めるよう強く求めたとのこと。
この要請は中国政府からの公式な要求ではありませんでしたが、シンガポールでの会談はアメリカと中国の対話促進を目的とした交流の一環であったと関係者は話しています。
関係者によると、Anthropicは要求を拒否したとのこと。

シンガポールで実施された会談の主催者でもあるカーネギー国際平和財団上級研究員のマット・シーハン氏は、会議で行われた議論の内容についてはコメントを控えた上で、「この会議はアメリカと中国の両国にとって不可欠です。それぞれの専門家が、AIがもたらす潜在的なリスクについて意思疎通を図ることは極めて重要であり、だからこそ私たちはこうした対話の場を設けています」と語りました。The New York TimesはAnthropicの関係者にもコメントを求めましたが、回答は得られませんでした。
アメリカ政府関係者は「中国のシンクタンクのメンバーが働きかけを行ったものの、中国政府がそのメッセージを承認し、指示したことはほぼ確実です」とコメントしました。中国当局はシンクタンクに対して強い統制力を持っており、特に今回のような非公式外交に関わる場合はなおさら介入をしている可能性が高いと考えられるそうです。
なお、中国では複数の企業が高性能AIモデルを開発しており、モデルを一般公開するオープンモデルの分野ではアメリカ企業をしのぐ成果を見せています。2026年4月に登場した中国製オープンモデルの「DeepSeek V4 Pro」はアメリカの政府機関による性能分析でGPT-5と同等性能であることが示されており、「中国の最先端モデルはアメリカの最先端モデルに対して8カ月遅れた状態である」と評価されています。
「DeepSeek V4 Proはアメリカの主要AIモデルに比べて約8カ月遅れているが現状最も高性能な中国製AIモデル」とアメリカ政府のAIリスク管理機関であるCAISIが報告 - GIGAZINE

一方で、The New York Timesの報道によると、一部のアメリカ政府関係者や業界関係者は、OpenAIのChatGPT 5.5やAnthropicのClaude Mythos Previewは中国に対するアメリカのAI開発のリードを9ヶ月から1年ほどまでに大きく拡大した可能性があるという見解を示しているとのこと。また、中国メディアが「Claude Mythos Previewは中国企業にとって重大なリスクであり、Anthropicの事業範囲の制限が技術的なギャップを生み出している」と指摘したり、中国側は「AnthropicとOpenAIがモデルを厳重に管理しているのは誤りで、中国は特に自国の重要インフラを守るためにこれらのモデルへのアクセスが必要だ」と訴えていたりと、激化するAI開発競争の中で技術差を付けられることを中国政府は強く警戒している可能性が指摘されています。
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in AI, Posted by log1e_dh
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