メモ

耳も呼吸する、一日中イヤホンを付けっぱなしにするとなぜ危険なのか?


外出先で音楽や動画を視聴する際にはイヤホンやヘッドフォンが必要ですが、耳には耳の保護機能が備わっており、一日中イヤホンを装着することは、この保護機能を妨げます。イヤホンの装着が耳にどのような影響を及ぼすのか、ボンド大学の生理学・薬理学教授のCharlotte Phelps氏が解説しています。

Don't wear earphones all day – your ears need to breathe
https://theconversation.com/dont-wear-earphones-all-day-your-ears-need-to-breathe-168742


耳垢は「天然のワックス」であり、外耳道の皮膚を湿らせ、昆虫・細菌・水といったものから体を保護する機能を持ちます。耳垢の保護機能は昔から知られており、乾燥した唇の保湿剤として使われていたこともあったとのこと。

耳垢は外耳道の毛包にある皮脂腺と汗腺から放出された分泌物によって作り出されます。そして基本的に耳垢は耳の内側から外側に流れていき、その逆はありません。この仕組みにより、耳垢によって捉えられた古い皮膚細胞や毛髪、細菌などは外側に排出されます。


上記のような自浄システムを機能させるには、耳に栓をしないことが一番です。イヤホンなどによって栓をする場合でも、短時間であれば問題ないのですが、一日中イヤホンを装着するとシステムが妨げられ、以下のような影響が現れます。

・圧縮された耳垢が固く、流動性がないものとなり、自然に排出することが難しくなる。
・圧縮された耳垢が炎症を引き起こす。
・空気の流れがなくなることで耳垢が自然に乾燥しなくなるので、耳の中に長期間留まり、蓄積の原因となる。
・耳の中の水分量が多くなり細菌の温床となる。
・耳垢の排出に対する障壁を作ることは分泌線を刺激し、より多くの耳垢を生み出す。
・イヤホンのパッドが適切に洗浄されていない場合や病原体が付着している場合は、耳の衛生状態が低下する。
・音量の上げすぎにより聴覚を損傷する。


過度に耳垢が蓄積すると、かゆみ・痛み・めまい・耳鳴りといった症状を引き起こし、最悪の場合、聴覚障害を引き起こします。このため、長時間にわたってイヤーデバイスを利用するときは、空気の流動性が高いヘッドフォンの使用が推奨されています。

なお、耳掃除は逆に耳垢を耳の奥に押しやってしまう可能性があるため、基本的には耳垢は「自然に排出される」のを待つ方がいいそうです。オイルを垂らしたり、ろうを使った掃除方法もありますが、これらも耳に悪影響を与える可能性があるとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
頭を振って耳の水を取り除くと「脳が損傷を受ける可能性がある」と物理学者が指摘 - GIGAZINE

自分の耳は一体何歳なのかが再生するだけでテストできるムービー「How Old Are Your Ears? (Hearing Test)」 - GIGAZINE

耳栓を「素材」から見直して音を確実にシャットアウト可能にした金属製耳栓「ISOLATE」 - GIGAZINE

安価で手軽に自分の耳にフィットする専用イヤフォンを作れる「Decibullz」 - GIGAZINE
ヘッドホンが耳に与える影響とは? - GIGAZINE

in メモ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.