「クリスマス」に孤独を感じたらどうすればいいのか?

一般的に「クリスマス」といえば家族や恋人、大切な友人らと過ごすイベントだと見なされており、そんな時に誰とも会わずに1人で過ごしていると、孤独が重くのしかかってくるように感じます。イギリスのアストン大学アストンビジネススクールで教育および学生体験担当副学部長を務めるポール・ジョーンズ博士が、クリスマスに感じる孤独や対処法について解説しています。
To feel lonely is to be human: here’s how to handle it at Christmas
https://theconversation.com/to-feel-lonely-is-to-be-human-heres-how-to-handle-it-at-christmas-271652

誰もがクリスマスを望む相手と一緒に過ごせるわけではありません。クリスマスを1人で過ごしたり、周囲のお祭り気分に同調できなかったりすると、自分だけが孤独であるかのような気分になってしまいます。特にクリスマスの時期はさまざまな思い出と結びついており、ツリーを飾ったりクリスマス映画を見たりすることが、過去の記憶を呼び起こすこともあるとジョーンズ氏は指摘しています。
加えて12月という時期は1年の最後にあるため、これまでの1年間を振り返ったり、自分自身の人間性や人生について省みたりすることも増えます。そのため、変化のまっただ中にあったり、別れや引っ越し、解雇といった出来事を経験したばかりだったり、過去のトラウマを抱えていたりする人にとって、クリスマス前後は傷つきやすい時期でもあります。こうした事実は、一般的な「クリスマスは人々が集まり、強い喜びを求め、感謝の気持ちを伝え合う時期だ」という文化的なメッセージとは異なるものです。
研究によると、慢性的な孤独はコルチゾールなどのストレスホルモンを増加させたり、免疫機能を低下させたり、心血管系に悪影響を及ぼしたりすることが示されています。孤独は人間にとって、つながりを求める欲求が満たされないことを示す生物学的警告システムです。そのため、あるべき自分と本来の自分との間にギャップが浮き彫りになるクリスマスの時期には、より孤独を強く感じることがあります。
しかしジョーンズ氏は、「クリスマスに1人でいるからといって、必ずしも何かが間違っているというわけではありません。 実際、それはまさにあなたが必要としているものかもしれません。多くの人にとって、この時間は空間や静寂、そして癒やしを得る貴重な機会となるでしょう。1年の中で、自分の考えに耳を傾けたり、内省したり、リセットしたりできる唯一の時間かもしれません。意図的に孤独を選ぶことは、深い癒やしをもたらしてくれるのです」と述べ、孤独は決して敵ではないと主張しています。
ここで重要なのが、自分自身とつながることは、他人とつながることと同じくらい重要だという点です。静かに読書をしたり、自分で料理を作ったり、自分なりのルーチンに沿って1日を過ごしたりすることは、自律性と自分自身の能力を養うことにつながります。これらの行動は自分をケアする能力を強化し、他人からの承認を求めるプレッシャーを軽減することで、より自分自身が必要とする選択を尊重できるようになるとのこと。

ジョーンズ氏は、孤独をToDoリストなどに頼って解消するのは得策ではなく、自分が何を必要としているのかに集中することが大事だと主張。孤独を解消する方法として、心理学や哲学の洞察に基づいた以下の5つのアプローチを提唱しています。
◆1:孤独を感じてみる
孤独を感じるのはつらいことですが、それを押しのけることが解決策になることはめったにありません。しっかりと自分の孤独を受け入れ、それと向き合うことが、孤独を和らげる第一歩になるかもしれません。
◆2:小さなルーチンを作る
生活に小さなルーチンを取り入れることが、人生に意味と構造をもたらしてくれます。「特別なお茶を味わう」「心に響く映画を見返す」「懐かしい人のためにロウソクをともす」といったささいな行動が、自分をより大きな何かにつないでくれるだけでなく、自分自身とつながる役にも立つとジョーンズ氏はアドバイスしています。
◆3:つながりを再構築する
誰かと親密であるということは、必ずしも物理的に近い距離で接触するという意味ではありません。久しぶりにメッセージを送ってみたり、静かなオンライン空間で交流したり、あるいはただ自分自身を向き合ったりするだけで、つながりを再構築することができます。日記をつけたり、ボイスメモを録音したり、内省的に散歩してみたりすることも、内なるつながりの形になり得ます。
◆4:自分のユニークさをたたえる
自分という人間が統計の平均値であることはめったになく、メンタルヘルスにおいて何かしらの基準を目指す必要はありません。ジョーンズ氏は、「あなたの感情生活はあなただけのものです。少しの変化、少しの奇抜さ、それらは生きている証です」と述べています。
◆5:自分に合ったものを見つける
クリスマスの過ごし方に正解はありません。1人で散歩に出かけたり、パジャマのままで過ごしたり、信頼できる人に電話をかけたりと、過ごし方は人それぞれです。大事なのは、どんな形であれ自分の個性を尊重するということです。

仮にクリスマスに孤独を感じたとしても、それは何かが壊れているというわけではなく、ただ何かが欠けていることに気付いたというだけの話です。また、文化的にはクリスマスが喜びや温かさ、帰属意識などと結びつけられていますが、決して今年のクリスマスを思い出に残る喜びにする必要もありません。
ジョーンズ氏は、「孤独は解決したり抑圧したりするものではありません。それは内なる旅をともにする存在です。そして時には、私たちが築くことができる最も意味のあるつながりは、私たち自身とのつながりなのです」と述べました。
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in メモ, Posted by log1h_ik
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