ハードウェア

ジム・ケラーの半導体製造スタートアップ企業「Fab2」が小型半導体ファブを大量生産するための工場を建設中


AppleのA4チップやAMDのZenマイクロアーキテクチャなどの設計で知られる半導体エンジニアでAIチップ開発スタートアップ・TenstorrentのCEOを務めるジム・ケラー氏と、自作半導体製造で知られるサム・ゼルーフ氏が設立したスタートアップ「Atomic Semi」が社名を「Fab2」に変更しました。Fab2は小型の半導体製造工場と、その内部で使う装置を量産する「fab fab」の構築を進めており、活動拠点もテキサス州へ移しています。

fab2
https://fab2.com/


Jim Keller's startup is building a factory to mass-produce small semiconductor fabs —Atomic Semi rebrands as 'Fab2' underlining intended role as a 'fab fab' | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/atomic-semi-rebrands-as-fab2-and-shifts-operations-to-texas

Atomic Semiは2022年に設立された半導体製造スタートアップです。設立者はケラー氏と、独学で半導体製造を研究するゼルーフ氏。

AMD RyzenやApple A4を生んだ天才エンジニアのジム・ケラーが半導体製造企業「Atomic Semi」を立ち上げ - GIGAZINE


Fab2が目指すのは半導体を製造するファブそのものを作る工場「fab fab」で、ポンプやバルブ、センサー、ガス配管、ナノメートル精度のアクチュエーター、制御基板などを自社で設計・製造し、それらを1つの装置に組み立て、さらに製造した装置を半導体ファブに組み立てる構想を掲げています。


Atomic SemiからFab2に社名を変更したのは、この「fab fab」を事業の中心に据える姿勢を明確にするものです。Fab2は社内で製造装置一式を組み立てたうえで小型ファブを量産することを目標にしており、「既存の部品だけでは理想とするファブを実現できないため、構成部品から自製する」と説明しています。


Fab2は300mmウエハーを巨大な生産ラインで処理するのではなく、ウエハーより小さいチップを加工できるソフトウェア定義型の小型ファブを用いる構想を抱いています。ハードウェア関連ニュースメディアのTom's Hardwareによると、Fab2は試作チップを数時間単位で仕上げることを狙っており、試作や少量生産での迅速性を主な価値として位置付けているとのこと。

一方で、この方式には生産量の制約があります。例えば、電子ビーム描画はマスクを使わず直接パターンを書き込むため、EUV露光装置が300mmウエハー全体を露光する場合よりも時間がかかります。そのため、最先端ファウンドリーのような大量生産より、試作や低生産量の用途に適した手法とみられます。


Fab2は製造設備だけでなく、チップ設計向けソフトウェア「Studio」も開発しています。Studioはブラウザー上で動く共同作業型のEDAツールで、レイアウトや回路図、シミュレーションなどに対応するとのこと。Fab2は製造設備の高速化に加え、設計工程も高速化することで、小型ファブの運用を支える考えです。

拠点はテキサス州のオースティンとロックハート、カリフォルニア州サンフランシスコの3カ所です。オースティンには研究開発と生産のための延べ約12万平方フィートの施設を置き、ロックハートでは延べ約3万平方フィートの「fab fab」を稼働させています。サンフランシスコには、延べ約2万5000平方フィートの「garage fab」も存在します。


巨大工場に設備投資を集中させる既存の半導体産業に対し、Fab2は小型で複製可能なファブを多数展開するという別の方向性を示しています。実用化の成否は、生産性や製造コスト、顧客が求めるプロセス技術にどこまで対応できるかにかかっていますが、半導体製造装置そのものを量産対象にする取り組みとして注目されます。

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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