10年間で6000万円以上もの電話料金が過大請求されていたことが判明、通信会社は返金対応
オーストラリア第2位の大手通信会社・Optusが、過去10年間にわたり合計約80万オーストラリアドル(約6400万円)もの電話料金を過大に請求していたことが分かりました。Optusはオーストラリアの通信当局にこの事例を報告するとともに、不適切に料金を請求していた1000社近くの中小企業に返金を行うことを表明しています。
Optus refunds businesses almost $800,000 after billing error | ACMA
https://www.acma.gov.au/articles/2021-09/optus-refunds-businesses-almost-800000-after-billing-error
ACMA investigation: Optus repaying customers after huge landline overcharge | news.com.au — Australia’s leading news site
https://www.news.com.au/technology/optus-repaying-australian-businesses-800k-after-decade-of-errors/news-story/220189523405912ea905f1133e071020
オーストラリア通信メディア庁(ACMA)が2021年9月29日に、「Optusが使われていない固定電話サービスの料金を請求していた994社の中小企業に対し、合計78万8609オーストラリアドル(約6370万円)を返金することが決まりました」と発表しました。ACMAの調べによると、Optusは顧客が電話会社を他社に乗り換えた後も請求を続けていたとのこと。
OptusはACMAに対し「この問題は、サービスを他社に乗り換えた顧客に対する料金請求終了日が誤って設定されていたのが原因」と説明していています。今回判明した過大請求は、2011年2月から2021年3月までの約10年間にわたり続いていたもので、Optusはこの問題を自主的にACMAに報告するとともに、被害を受けた企業らに返金を行うことを約束しました。
ACMAのネリダ・オローリン局長はこの件について「Optusは、オーストラリアで2番目に大きい通信会社なので、通信事業に関するあらゆる規制を確実に順守するための仕組みを持っているはずです。従って、Optusがこのような初歩的なミスを長期間にわたり発見できなかったことは憂慮すべき事態であり、受け入れがたいものです」とコメントしました。
ACMAによると、過大請求を受けていた中小企業の15社に1社が1万オーストラリアドル(約80万円)以上も請求されていたとのこと。これは、小規模な事業者にとっては小さくない金額です。また、オーストラリアには通信料金の請求額が適正なことを証明するよう通信会社に義務づけるテレコミュニケーション消費者保護法(TCP法)がありますが、今回のケースではOptusがこの法律に基づくサービスを顧客に提供していなかったことも明らかになっています。
ACMAは今後、Optusが顧客全員に確実に返金するよう注意深く監視するとともに、請求ミスの再発防止を徹底するよう指導するとしており、万が一同社がACMAの指示に従わなかった場合は最大で25万オーストラリアドル(約2000万円)の罰金を科されることになります。
なお、Optusは既に問題の影響を受けた中小企業の98%に連絡を取り、過大請求分の料金とその利息を返金しているとのこと。Optusの広報担当者はオーストラリアのニュースメディア・news.com.auに対し、「2011年2月から2021年3月の間に、当社の事業者向けサービスを利用していた少数の顧客が、システムの請求ミスにより固定電話サービスの料金を請求されていました。当社は、返金を行うことを約束するとともにこの問題をACMAに報告し、同局と協力して引き続き返金を実施して参ります」と話しました。
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