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Uberが「キャンセル料無料なのに料金がかかると表示した問題」でオーストラリアの規制当局から提訴される、23億6000万円の罰金に直面

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オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)が2022年4月26日に、ライドシェアサービスのUberがキャンセル料や運賃の表示で消費者に誤解を与えたとして、2600万オーストラリアドル(約23億6000万円)の罰金を求める訴訟手続きを開始することで、Uberと合意したと発表しました。

Uber in court for misleading statements about Uber taxi fares and cancellation fees | ACCC
https://www.accc.gov.au/media-release/uber-in-court-for-misleading-statements-about-uber-taxi-fares-and-cancellation-fees

Uber and ACCC reach settlement agreement regarding two historical issues | Uber Newsroom
https://www.uber.com/en-AU/newsroom/accc

Uber cancellation fees misleading, ACCC finds; company faces $26m fine
https://www.smh.com.au/business/companies/uber-faces-26m-fine-for-misleading-customers-over-cancellation-fees-20220426-p5ag6n.html

以下は、ACCCが問題視しているUberの誤解を招く表示の一例です。Uberの多くのサービスでは、ドライバーが配車リクエストを受け付けてから5分以内のキャンセルであればキャンセル料がかからないようになっています。しかし、Uberはユーザーがキャンセルしようとした際に「既にドライバーが向かっている最中なので、少額の手数料が請求されるかもしれません」と表示して、何らかの費用が発生するかのような印象を与えていたと、ACCCは指摘しました。


この表示は少なくとも2017年12月に始まり、「キャンセル料はかかりません」と明記されるように修正された2021年9月まで続いていたとのこと。これについてACCCのジーナ・キャス=ゴットリーブ委員長は「Uberは、何年間もオーストラリアのユーザーを誤解させていたことを認めています。つまり、Uberは一部のユーザーに対し、無料でキャンセルする権利があったにもかかわらず警告を表示し、乗車をキャンセルしないよう仕向けていた可能性があります」と非難しました。

一方、Uberは公式サイト上で発表した声明の中で、「キャンセル時に警告が出たにもかかわらず、ほとんど全ての利用者は乗車をキャンセルすることを選択しました」「ACCCの主張は、キャンセル料が適用されるべきではない状況でキャンセル料が請求されていたとするものではありません」と釈明し、ユーザーに請求されるとした料金はあくまでキャンセル料とは別の料金だと強調しました。

また、一部地域での配車サービスでは高級車が迎えてくれる「Uber Premier」オプションや、普通のタクシーを手配する「Uber Taxi」オプションなどが選択可能でしたが、このうち「Uber Taxi」の運賃算定アルゴリズムは常に本来の料金より高めの額を見積もっていたとのこと。


2018年6月から2020年8月まで続いたこの問題に対し、キャス=ゴットリーブ委員長は「Uberは、Taxiオプションの見積もり料金を高くしてユーザーに誤解を与えたこと、そしてその見積もりを算定するアルゴリズムの正確性を監視していなかったことを認めています。料金に関する紛らわしい表示は、ユーザーがTaxiオプションを選択するかどうかや、十分な情報を得た上で決断をする消費者の機会を奪っていました」と述べて、最も標準的なオプションの料金が実際より高く表示されたことで、高額のオプションが選択されやすくなった可能性を示唆しました。

ACCCは今回の訴訟について、「Uberは、キャンセル料の警告メッセージやTaxiオプションの料金見積もりにおいて、虚偽または誤解を招く記載をしたことによりオーストラリアの消費者保護法に違反したことを認め、ACCCと共同で総額2600万オーストラリアドルの罰金支払い命令を裁判所に求めることで合意しました」と述べています。

また、Uberも「UberとACCCは、2つの歴史的な問題について合意し、和解するに至りました。問題の最終的な解決は、連邦裁判所の決定によるものとします」と述べて、ACCCの指摘を全面的に認めました。

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in ネットサービス,   乗り物, Posted by log1l_ks

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