透明なリーダーシップは奉仕型リーダーシップに勝る

スウェーデン在住のソフトウェアエンジニアであるクリス氏が、管理職になってからどう振る舞うべきか分からないまま手探りで学ぶ過程で「奉仕型(サーバント)リーダーシップ」について書かれた書籍を多く読み込んだものの、どうしても腑に落ちない感覚が残ったと述べ、新たに「透明な(トランスペアレント)リーダーシップ」を提唱しています。
Transparent Leadership Beats Servant Leadership
https://entropicthoughts.com/transparent-leadership-beats-servant-leadership

奉仕型リーダーシップは、リーダーが上から指示して引っ張るのではなく、メンバーへの支援や奉仕を優先し、働きやすい環境づくりや成長の後押しを通じて組織の成果につなげようとする考え方です。
スウェーデンのソフトウェアエンジニアであるクリス氏は、管理職としてのキャリアをスタートさせた際、手探りでその役割を学ぶ中で「奉仕型リーダーシップ」に関する多くの書籍を読んだとのこと。しかし、クリス氏は奉仕型リーダーシップに対して、親が子供の進行方向にある障害物をすべて先回りして取り除く「カーリング型の子育て」に似ているという違和感を拭えなかったといいます。
奉仕型リーダーシップは部下にとって快適なあり方ですが、リーダー自身が過労に陥るうえに単一障害点となってしまい、リーダー不在時にチームが障害に対処できなくなるリスクを孕んでいるからです。最悪の場合、チームが組織から孤立し、自分たちの目的を見失うことさえあるとクリス氏は指摘しています。

こうした問題意識から、クリス氏は新たに「透明なリーダーシップ」という概念を提唱しました。クリス氏が定義する良いリーダーとは、「メンバーをコーチングし、人と人をつなぎ、体系的な問題解決手法を教える存在」です。また、組織の価値観や原則を共有して部下が自律的に判断できるようにし、需要と供給を直接結びつけることで、意図的に自分という仲介者を排除していく姿勢が重要だとしています。責任を段階的に移譲して後継者を育て、最終的には「自分がいなくても回る状態」を作ることが目標となります。
さらにクリス氏は、不要になった管理職の振る舞いについても言及しており、報告業務や官僚的な手続きを捏造して仕事を増やすのではなく、技術的な問題解決の現場に戻るべきだと主張しました。そうすることで、管理者は自身のスキルを維持しつつ部下からの尊敬も得られ、単なる書類仕事の担当者ではなく「高性能な予備戦力」として機能できると説いています。

クリス氏の意見には、「真の奉仕型リーダーシップも本来は部下の自律を目指すものであり、透明なリーダーシップと同じである」という批判も寄せられたとのこと。クリス氏自身も、真の意味での奉仕型リーダーシップそのものに反対しているわけではないと述べ、クリス氏も理論上の定義には同意しています。しかし、現実には「リーダーが部下の代わりに面倒な仕事を引き受ける召使い」のように振る舞う誤解が広まっていると懸念しています。
クリス氏が問題視するのは、実務の現場で起こりがちな運用として、管理職が退屈で難しい部分を肩代わりし、部下がテイラー主義的に狭く定義された自分の仕事にだけ集中できるようにしてしまうこと。その結果として、リーダーが召使いのように振る舞うべきという誤った理解が広まりやすいとクリス氏は指摘し、「部下が狭い範囲の仕事に閉じこもることを防ぎ、実践的なアプローチとして透明性を重視すべきだ」と主張しました。
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in メモ, Posted by log1i_yk
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