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あらゆる種類の誤り検出訂正に対応する「ユニバーサルデコーダー」をMITが開発


メールやYouTubeのムービーなどのインターネット上を行き来するデータは、伝送中の電波干渉などによるノイズの混入を避けられないため、データの受信側は受信したデータにノイズ除去処理を施す必要があります。マサチューセッツ工科大学の研究チームが、このノイズ除去処理を効率的に行える新たなデコーダーの開発に成功しました。

A universal system for decoding any type of data sent across a network | MIT News | Massachusetts Institute of Technology
https://news.mit.edu/2021/grand-decoding-data-0909


ファイルの伝送時にはノイズの混入が避けられず、ノイズを含まない正しいデータを送受信するために誤り検出訂正と呼ばれる仕組みが用いられています。この誤り検出訂正には多くの種類が存在し、それぞれに個別のデコーダーが用意されていますが、MITによるとデコーダーに用いられるアルゴリズムが非常に複雑であることから、それぞれのデコーダーのために専用のハードウェアを開発する必要が生じているとのこと。そこで、研究チームはあらゆる種類の誤り検出訂正に対応するデコーダーとハードウェアの開発に取り組みました。

今回開発が発表されたのは、ユニバーサルデコードアルゴリズム「Guessing Random Additive Noise Decoding (GRAND)」と、GRANDを採用したハードウェアデコーダーです。通常のデコードアルゴリズムでは受信したデータを解析して対応するデコーダーを判断した後でデコードを開始していましたが、GRANDでは「各種の誤り検出訂正ごとのノイズが発生しやすい部分を確認することで、迅速に誤り検出訂正を実行する」という手法が用いられています。この手法について、研究チームはGRANDの特徴を自動車修理に当てはめて、「自動車を修理する際に、わざわざ設計図を書き起こす人はいません。まずはガソリン残量をチェックして、次にバッテリー切れの有無をチェックします」と解説しています。


また、新開発のハードウェアデコーダーではチップに3層構造を採用しており、1つの層で単純なノイズパターンを解析し、残り2つの層で複雑なノイズパターンを解析するとのこと。これらの層は独立して動作し、電力効率の向上に貢献するとされています。さらに、研究チームが行った実証実験では128ビットまでのコードを約1マイクロ秒でデコードできたとのことで、GRAND採用チップの性能の高さが示されています。

研究チームは今後もGRANDの対応可能コードサイズの拡大やチップの構造最適化による電力効率向上に取り組み、5GネットワークやIoTなどの分野でのデコード効率を向上させることを目標としています。

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in メモ, Posted by log1o_hf

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