トランプ大統領やその一家は仮想通貨で約3700億円の利益を上げたが投資家は約3600億円の大損を被ったとの調査結果

アメリカのドナルド・トランプ大統領は、自らが大統領に就任する直前に独自の仮想通貨「$TRUMP」を発行したり、家族と共同で仮想通貨企業の「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial:WLFI)」を設立したりと、仮想通貨関連のビジネスに注力しています。そんなトランプ大統領やその一家は仮想通貨で合計23億ドル(約3690億円)の利益を上げた一方、投資家らは22億5000万ドル(約3610億円)の大損を被ったとの調査結果を、海外メディアのロイターが報告しました。
Under the Trump crypto playbook, the family always wins. Investors don’t | Reuters
https://www.reuters.com/investigations/under-trump-crypto-playbook-family-always-wins-investors-dont-2026-06-09/
Trump family's $2.3B crypto windfall matched by $2.25B in investor losses, Reuters finds
https://cryptoslate.com/trump-familys-2-3b-crypto-windfall-matched-by-2-25b-in-investor-losses-reuters-finds/
トランプ大統領は仮想通貨の規制緩和を進めており、就任直後の2025年1月にはアメリカに仮想通貨ブームを引き起こしました。ロイターはトランプ一家の事業体グループであるトランプ・オーガナイゼーションが手がける4つの仮想通貨ビジネスについて分析し、トランプ氏やその一家、そしてビジネスに資金を提供した投資家の利益がどのようになっていたのかを調べました。
トランプ一家の仮想通貨関連ビジネスのうち、もっとも巨額の利益をもたらしたのがワールド・リバティ・ファイナンシャルです。ワールド・リバティ・ファイナンシャルは「従来の銀行にとらわれない金融システム」を掲げ、分散型金融およびステーブルコインのプラットフォームになるとアピールしていました。
ワールド・リバティ・ファイナンシャルは、保有者に一部のガバナンス事項に関する投票権を与える「WLFI」トークンを販売しており、トランプ一家と関係するDT Marks DEFI LLCという法人がトークン販売収益の75%を得る契約になっていたとのこと。これによりトランプ大統領とその一家は、約11億ドル(約1760億円)もの利益を得たとロイターは報じています。
しかし、WLFIは9月1日に取引が開始されると一時的に31セント(約50円)から46セント(約74円)まで急騰しましたが、その後はゆっくりと下落。記事作成時点ではおよそ5.5セント(約9円)まで値下がりしています。また、「WLFIの早期購入者は保有するトークンのうち20%以上は売却できない」という条件が付けられているため、投資家が早々にトークンを売却して損失を抑えることもできなくなっています。その結果、ワールド・リバティ・ファイナンシャルの投資家は2026年4月末までに約6億7400万ドル(約1080億円)もの損失を被ったとのことです。

あるヨーロッパ在住のデジタルマーケティング専門家は、早期投資家として2025年1月に4万5000ドル(約720万円)相当のWLFIトークンを格安で購入しました。9月に取引が開始された直後に保有トークンの20%を売却し、これにより8万3000ドル(約1300万円)の利益を確定させられたものの、残るトークンを売却できずに不満を募らせているそうです。この専門家はトークンの売却停止について異議を申し立てたものの、ワールド・リバティ・ファイナンシャルからは無視されており、法的手段を検討しているとロイターに語っています。
仮想通貨分野の起業家兼投資家であるジャスティン・サン氏も、WLFIトークンの購入に4500万ドル(約72億1600万円)を費やしました。ところが、ワールド・リバティ・ファイナンシャルが発行するステーブルコインへの投資話を断ったところ、同社はサン氏が所有するWLFIトークンを凍結して売却できなくしたとのこと。これを受けてサン氏はワールド・リバティ・ファイナンシャルを提訴しましたが、逆にワールド・リバティ・ファイナンシャルもサン氏を名誉毀損(きそん)で提訴する泥沼の事態となっています。
トランプ大統領も関わる仮想通貨企業が訴えられる、起業家保有のトークンを「一方的に凍結」 - GIGAZINE

さらにワールド・リバティ・ファイナンシャルは、ナスダック上場企業のALT5 Sigma(現AI Financial Corp)が新規株式を発行し、調達した7億1700万ドル(約1150億円)をWLFIトークンの購入に充てるという契約を締結。取引成立の翌朝、トランプ大統領の息子であるエリック・トランプ氏とドナルド・トランプ・ジュニアがナスダック市場のオープニングベルを鳴らし、ALT5 Sigmaの新規株式発行をアピールしました。
これにより、投資家から間接的にワールド・リバティ・ファイナンシャルに流れる資金を集めることに成功しましたが、ALT5 Sigmaの株価はその後すぐに下落。2025年8月のピーク時には1株あたり9ドル(約1440円)を超えていた株価は、2026年4月末にはわずか75セント(約120円)まで低迷しました。結局、投資家は6億7500万ドル(約1080億円)もの損失を被りましたが、トランプ一家は5億ドル(約800億円)以上の利益を得たそうです。
ALT5 Sigmaとの取引から1カ月後、トランプ一家は別の仮想通貨マイニング企業であるアメリカン・ビットコインを上場させましたが、こちらもビットコインの値下がりに合わせて損失を出しています。
また、トランプ大統領はブロックチェーンネットワークの「Solana」で独自の仮想通貨「$TRUMP」も発行しています。ロイターによると、トランプ大統領は$TRUMPが名前と肖像を使用するライセンスを供与しているものの、ほとんど自らの資金を投入した形跡はないとのこと。しかし、$TRUMPの発行によりトランプ一家は約6億1600万ドル(約990億円)もの利益を得たと推定され、反対に投資家らは$TRUMPの大暴落に見舞われています。
以下は左から順にワールド・リバティ・ファイナンシャル、$TRUMP、ALT5 Sigma、アメリカン・ビットコインでトランプ大統領およびその一家が出した利益(紫色の棒グラフ)と、投資家らが出した損失(赤色の棒グラフ)を示したもの。いずれの事業でもトランプ大統領らは利益を上げていますが、投資家は巨額の損失を被っていることがわかります。

4つのビジネスをまとめるトランプ・オーガナイゼーショントランプが2024年11月~2026年4月にかけて得た利益を、同時期に暗号資産取引所のCoinbase、仮想通貨マイニング大手のIREN、資産運用大手のBlackRock、アメリカドル連動型ステーブルコインを管理するCircle、仮想通貨特化の金融サービスであるGalaxy Digitalと比較したグラフが以下。トランプ大統領らは大手仮想通貨企業よりも多くの利益を出しています。

ロイターが取材した8人の政府倫理専門家は、大統領自身が擁護した業界によりトランプ一家が利益を得ていることは、現代アメリカ史において前例のない利益相反に当たるとしています。しかし、一連の行為は非倫理的で前例がないものの、金銭的利益を得るために大統領へ接近させたり、規制上の便宜を図ったりしない限りは合法だとのこと。
ホワイトハウスのケリー報道官は声明の中で、「大統領もその家族も、これまで利益相反に関与したことはなく、今後も関与することはありません。トランプ大統領は、大統領令によってアメリカを世界の仮想通貨の中心地にしたことを誇りに思っています」とコメントしました。
なお、トランプ大統領やその一家は仮想通貨だけでなくさまざまなアイテムにライセンスを供与しています。2026年6月には、総合格闘技団体・UFCのイベントがホワイトハウスで開催されるのに合わせ、1万2000ドル(約192万円)の記念コインを販売すると発表しました。
Trump-branded UFC ‘medallions’ go on sale ahead of scheduled White House match
https://www.ms.now/rachel-maddow-show/maddowblog/trump-branded-ufc-medallions-white-house-match
・関連記事
トランプ大統領も関わる仮想通貨企業が訴えられる、起業家保有のトークンを「一方的に凍結」 - GIGAZINE
トランプ大統領の関税政策が仮想通貨企業のIPOの足を引っ張る可能性 - GIGAZINE
ドナルド・トランプ大統領が発行した仮想通貨「$TRUMP」が時価総額約150億ドルに達し世界有数の仮想通貨に、一方で「ミームコイン」という特性に否定的な有識者も - GIGAZINE
トランプ大統領が2025年5月22日にミームコイン「$TRUMP」保有者上位220人と夕食を共にする予定と発表され価格高騰 - GIGAZINE
トランプ大統領とのディナーパーティーのために1億4000万ドル分のミームコインが買いあさられる - GIGAZINE
トランプ大統領一族が仮想通貨市場や予測市場に参入するため政府機関から職員を追放したとの報道 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in メモ, Posted by log1h_ik
You can read the machine translated English article A survey revealed that President Trump a….






